学費支払い困難も…支援拡充を要請、中央労福協

 労働者福祉中央協議会は2020年10月9日、文部科学省に対し「新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う学費と奨学金への支援に関する第三次緊急要請」を行った。10月12日には、後期(秋学期)の学費の支払いがより厳しくなる危険性があるとして、学生への支援拡充を訴えた。

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 労働者福祉中央協議会は2020年10月9日、文部科学省に対し「新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う学費と奨学金への支援に関する第三次緊急要請」を行った。10月12日には、後期(秋学期)の学費の支払いがより厳しくなる危険性があるとして、学生への支援拡充を訴えた。

 労働者福祉中央協議会(中央労福協)は、新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受け、奨学金返済と学費への支援に関する緊急要望書を4月3日と6月24日付で文部科学大臣宛てに提出。10月9日には第三次として、2020年後期(秋学期)学費の「延納・分納・減額」など柔軟な対応や学生支援緊急給付金の周知徹底、コロナ禍に対応した給付型奨学金や緊急特別無利子貸与型奨学金の拡充などを緊急要請した。

 10月12日には文部科学省において、学費と奨学金問題に詳しい中京大学の大内裕和教授と合同で記者会見を実施。中央労福協の神津里季生会長は「より多くの人々に学生の実情について知ってもらわないと制度の改善につながらない」と語り、大学などの中退の実態把握やそれに基づいた制度の拡充などを求めた。

 大内教授は、コロナ禍における学生の深刻な現状に触れ、「オンライン授業が多かった前期(春学期)は、経済的に厳しい状況にある学生も実家を頼ることができたが、対面授業が始まった後期(秋学期)は下宿先に出てくる学生も多くなる」と説明。学費の支払いが後期(秋学期)はより厳しくなる危険性があると指摘し、学生支援緊急給付金や大学等修学支援制度の支援対象の拡大、給付型奨学金制度の拡充などを呼びかけた。

 中央労福協では11月6日、奨学金に関する全国一斉の無料電話相談会を実施する。午前11時から午後7時まで、フリーダイヤル(0120-60-2911)で奨学金に関する悩みや相談を受け付け、奨学金に詳しい弁護士が同席して法的な相談にも対応する。11月6日には全国32都道府県の労福協でも相談会を実施するほか、他県でも10~11月の期間に別日程で行う。詳細は、中央労福協のWebサイトから確認できる。
《奥山直美》

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