【大学入学共通テスト2021】鼻出しマスク、トイレ立てこもりで警察出動

 2021年1月16日に行われた2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト受験生1人がマスクを正しく着用するという試験監督者の指示に従わず、成績が無効となった問題で、この受験生が退場を求められた後トイレに立てこもり、警察が出動する騒ぎになっていたことがわかった。

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大学入学共通テストの北海道大学試験場のようす
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  • 萩生田光一文部科学大臣の会見
 2021年1月16日に行われた2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で受験生1人がマスクを正しく着用するという試験監督者の指示に従わず、成績が無効となった問題で、この受験生が退場を求められた後トイレに立てこもり、警察が出動する騒ぎになっていたことがわかった。

 1月19日に会見した文部科学省の萩生田光一大臣は、この問題について大学入試センターからの情報として、「マスクから鼻を出したまま受験していた受験生がおり、6度におよぶ試験監督者の指示に従わなったことから当該受験生を不正行為と認定した」と説明した。

 試験監督者の指示に従わない場合は不正行為になり得ることは、全受験者に配布している「受験上の注意」で事前に周知しているとしたうえで、「当該受験者はそれだけではなく、周囲の受験生からも苦情があったこと、不正行為通告後も試験室に居座ったため、同室の他の受験生を別室に移動させざるを得ない事態になったことなど、試験運用上看過しがたい状況だった」と説明。「適切な措置だったと認識している」と語った。

 マスクの正しい着用方法については、「鼻と口の両方を確実におおうことは政府としても啓発している」とコメント。共通テストの「受験上の注意」において、試験場内では昼食時を除き常にマスクを正しく着用すること、感覚過敏などによりマスク着用が困難な場合などは、医師の診断書を提出して受験申請を行うことで別室受験できることを周知しているとした。

 受験生に対する対応では、「仮にたとえば、鼻の病気などでマスクを鼻までおおうことが困難な受験生がいるとすれば、事前に申し出てもらえれば別室などで受験できるようになっている。それぞれの健康状態を正しく申告してもらえれば、現場では柔軟な対応をしたいと思う」と述べた。

 そのうえで、今回の受験生のケースは「ちょっと趣旨が違う」と指摘。注意するたびに反論して試験監督者とやりあうなどの状況から、同じ会場の受験生への影響も考慮し、これ以上は無理だという判断で退場を求めたが、退場せず教室に居座ったため、ほかの受験生を別教室に移すことになったほか、退場を促した後にトイレへ駆け込み、何時間も籠城したため、警察が出動する事態になったという。
《奥山直美》

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