岡山大学が行った「21世紀出世児縦断調査」のデータを活用した研究によると、1.5歳、2.5歳のときにテレビを長時間視聴することが、その後、小学生になったときに視力が低下することと関連することがわかった。 「21世紀出世児縦断調査」は厚生労働省が行う一般統計調査で、全国で2001年1月10日~17日および7月10日~17日に出生した子供4万7,015人を対象に、毎年調査票を送って回答してもらい、同一対象を長年にわたって追跡している。 岡山大学では疫学・衛生学分野の頼藤貴志教授が中心となり、この調査のデータを活用してさまざまな解析研究を実施。今回の研究では、幼少時のテレビ視聴と小学生時(小学校1年~6年)の視力低下との間に因果関係があるかを調べた。 調査票の回答に基づき解析を行ったところ、1.5歳と2.5歳のときに「おもな遊びがテレビを見ること」である子供は、その後小学生になったときに「視力が悪くなった」と回答した割合が高くなることがわかった。 また、2.5歳のときに1日のテレビ視聴時間が2時間以上であった子供は、視聴時間が1時間未満であった子供と比べ、小学生時に視力が悪くなったと回答した割合が高かった。 なお、3.5歳、4.5歳、5.5歳ではテレビを見る時間が長くても、小学生時に視力が悪くなることと関連はみられなかった。 研究発表では、視覚が発達する3歳までは、テレビ視聴が長くならないように特に注意することが大切だとしている。