【大学受験2022】理系人気継続、工学系がけん引…東進・模試受験者志望動向

 東進ハイスクール・東進衛星予備校を運営するナガセは、2021年4月に実施した「第2回4月 共通テスト本番レベル模試」の受験者志望動向を発表した。理系人気は高く、文系は低下という近年の傾向は変わらず、特に工学系の人気がさらに高まっている。

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学部系統別の志願者占有率の推移
  • 学部系統別の志願者占有率の推移
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 東進ハイスクール・東進衛星予備校を運営するナガセは、2021年4月に実施した「第2回4月 共通テスト本番レベル模試」の受験者志望動向を発表した。理系人気は高く、文系は低下という近年の傾向は変わらず、特に工学系の人気がさらに高まっている。

 「共通テスト本番レベル模試」は、東進が2か月に1回実施する連続模試。「大学入学共通テスト」と同じレベル・出題範囲・出題形式で実施する本番レベルの模試で、どの分野であと何点取れば志望校に合格できるのかを具体的な点数で把握できる。4月25日に行われた「第2回4月 共通テスト本番レベル模試」は、5万3,418人が受験した。

 全体として近年の傾向と変わらず、理系人気の高まりと文系の低下がみられた。学部系統別の志願者占有率は、「工学」21.3%がもっとも高く、理系人気を工学系がけん引。医歯薬系では医学系・薬学系が増加する一方で、看護・保健・医療技術系は減少している。

 文系の人気低迷は依然として変わっておらず、特に経済・経営・商学系は2018年と比較すると2.9ポイント減少している。外国語系は2020年4月時点で2.3%と前年(2019年)を上回っていたが、実際の大学入試では長引くコロナ禍による国際交流の減少の懸念から志願者数が減少しており、その影響が2021年も続いている。例年、一定の志願者を確保する文・人文・人間系は数年前の水準を維持している。

 理系全体でみると人気が継続。理学系は占有率が減少しているが、より就職に有利と思われる工学系に受験生が流れているためと考えられるという。工学系は2018年から1.8ポイント増加。特にデータサイエンス分野の人気が影響している。農林・水産・獣医学系は、2021年3月時点と比べると過去3年間の下落から一転して復調傾向にある。

 医歯薬系では、看護・保健・医療技術系を除いて人気が高まっている。医学系は2021年入試でも人気であったが、地方の成績上位層が地元大学の医学部を志望していることが理由の1つだという。薬学系の人気が上昇しているのは、景気の悪化による資格志向の他、新型コロナウイルスのワクチンへの関心の高まりも影響していると考えられる。

 なお、今回の分析データは各年4月時点の志望動向を比較したものであり、実際のその年の大学入試における出願傾向とはずれがある。
《外岡紘代》

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