【大学受験】主体性評価、一般入試「調査書の点数化」2割

 2021年度一般選抜について、「調査書の点数化」を行った大学は20.0%、「本人記載の資料の点数化」を行った大学は9.2%にとどまったことが2021年6月17日、旺文社教育情報センターが実施した調査結果より明らかになった。

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  • 調査書等の点数化実施状況 (c) 2021 旺文社 教育情報センター
 2021年度一般選抜について、「調査書の点数化」を行った大学は20.0%、「本人記載の資料の点数化」を行った大学は9.2%にとどまったことが2021年6月17日、旺文社教育情報センターが実施した調査結果より明らかになった。主体性の評価は2021年の入試改革で注目されたが、実際に導入している大学は少ない実態にあった。

 旺文社教育情報センターでは、2021年の新入試で英語外部検定と共通テスト記述式とともに注目を集めた「主体性の評価」について、全大学を対象に調査を実施。結果を分析し、「『調査書の点数化』一般選抜はわずか2割!」と題してWebサイトにまとめた。

 これによると、2021年一般選抜について全大学(専門職大学、コロナの影響で実施を見送った大学を除く)の募集要項を調べた結果、調査書を点数化した大学は国立28.0%、公立22.6%、私立18.4%で、全体では20.0%。本人記載の資料(志望理由書、活動報告書、学修計画書等)を点数化した大学は、国立22.0%、公立16.1%、私立6.3%で、全体では9.2%。「調査書の点数化」「本人記載の資料の点数化」をあわせた結果では、国立36.6%、公立26.9%、私立20.8%、全体23.3%であった。

 なお、今回の調査では調査書、本人記載の資料について「配点を公表」「段階評価」「ボーダー利用(ボーダーで学力試験の得点が並んだ場合に利用)」した入試を「点数化」とみなして集計。「配点非公表」「総合的に判定」「面接の参考資料」「面接100点には調査書を含む」「書類審査で著しく適性を欠く場合は不合格」等の入試は除外し、英語外部検定利用入試も原則除外している。

 また、大学単位で調査書と本人記載の資料の点数化を1入試でも行っていれば大学としてカウントしてため、入試全体の割合ではもっと少ない。調査書や本人記載の資料を点数化する入試は、大学全体で1割程度。国公立大は「前期25.8%」「後期22.7%」「中期10.6%」「別日程37.5%」、私立大は「独自入試8.3%」「共テ利用4.7%」になるという。

 旺文社教育情報センターでは、「調査書の点数化」「本人記載の資料の点数化」の全体的な実施校が23.3%と少なかったことについて、「評価にかかる作業手間と、評価に対する客観性の確保が、大学が導入に踏み切れない要因だろう」と分析。実際に調査書を活用している場合は、点数化しやすい「学習成績の状況」を評価している大学が多いという。

 私立の大規模大では、志願者数の多さや入試日程の過密さから、面接も含めて主体性の評価を行う大学は非常に少ない。だが、青山学院大、学習院大、上智大、法政大、明治大、立教大、早稲田大、南山大、西南学院大等、東京の私立難関大を中心に判定には利用せず、入学後の参考資料として本人記載の資料を提出させる大学が目立つ。Web出願とセットになっているケースが多く、出願時に100~500文字程度で高校において主体的に取り組んだ活動等を入力する。

 学力試験等を含めた総点に対する調査書、本人記載の資料の配点比率は、国公立大が低く、私立大が高い。国公立大は配点比率5%未満の入試が約8割なのに対し、私立大は20%以上の入試が2~3割ある。

 2021年度入試では、新型コロナウイルス感染症の影響で、国公立大では帯広畜産大、弘前大、福島大、筑波大、信州大(理学部)、徳島大、熊本大、東京都立大等が調査書や本人記載の資料の点数化を見送った。

 JAPAN e-Portfolio(ジャパンeポートフォリオ)も頓挫し、2021年の入試改革により、一般選抜で調査書や本人記載の資料の点数化を含めた主体性の評価が一気に広がった状況には決してない。2022年度入試については、「せいぜい2021年に新型コロナで急遽見送った大学が実施してくる程度だろう(すでに再度見送りを表明する大学も出ている)」と予想している。
《奥山直美》

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