子供の歯並びは生活習慣が影響…歯科医師調査

 生活習慣が歯並びを悪くしている要因と考える歯科医師が多いことが2021年12月8日、吉祥寺セントラルクリニックの調査結果から明らかになった。普段から柔らかい食べ物を食べていることや「指しゃぶり」「歯ぎしり」といった癖が影響しているという。

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年々歯並びが悪い子供が増えていると感じるか
  • 年々歯並びが悪い子供が増えていると感じるか
  • 遺伝と生活習慣が歯並びに影響を与える割合
  • 歯並びを悪くする習慣であてはまるもの
  • 歯並びを悪くする習慣、幼いうちから歯並びが悪いとどのような影響があるか
  • 1度悪くなった歯並びは成長とともにどう変化するか、歯並びの悪さを予防・改善できるか
  • 吉祥寺セントラルクリニック
 生活習慣が歯並びを悪くしている要因と考える歯科医師が多いことが2021年12月8日、吉祥寺セントラルクリニックの調査結果から明らかになった。普段から柔らかい食べ物を食べていることや「指しゃぶり」「歯ぎしり」といった癖が影響しているという。

 子供の歯並びに関する調査は2021年10月29日~30日、全国の歯科医師1,003人を対象にインターネットで実施。診療している子供たちの歯並びについて「年々歯並びが悪い子供が増えてきていると感じるか」と質問したところ、92.8%が「はい」と回答。9割以上の歯科医師が子供の歯並びが年々悪くなっていると感じていることがわかった。

 「歯並びが悪い子どもが増えてきている理由」は、「洋食化により咀嚼の回数が減っている」「遺伝」「噛む力が弱い」「お菓子を食べすぎているから」「骨格の変化で顎が小さくなってきている気がする」「正しい噛み合わせができてないから」等、遺伝や生活習慣を理由にあげる人が多かった。

 「遺伝と生活習慣が歯並びに影響を与えるおおよその割合」は、「遺伝5:生活習慣5」25.2%がもっとも多く、「遺伝6:生活習慣4」23.5%、「遺伝8:生活習慣2」14.2%と続いた。「遺伝5:生活習慣5」「遺伝6:生活習慣4」の2つの回答をあわせると、約半数の歯科医師が歯並びに影響を与える要因は遺伝と生活習慣がほぼ同程度と考えていることがわかった。

 「歯並びを悪くする習慣であてはまるもの(複数回答可)」との質問では、「やわらかい物ばかり食べる」42.3%がもっとも多く、「歯ぎしり・食いしばり(31.1%)」「よく噛まずに食べる(29.6%)」と続いた。

 1番歯並びを悪くする習慣とその理由は、「口呼吸。口呼吸だと歯をかぶせ合わない状態となり、噛み合わせた型にならないから」「爪噛み。歯に毎日負担がかかり爪を噛んでいる方の歯が特にゆがむ」「指しゃぶり。長く続けることで口を閉じても前歯が開いている開咬や前歯が出てしまう上顎前突、歯並びがでこぼこになる叢生になりやすいから」等。指しゃぶりや口呼吸、歯ぎしり等の日々の習慣でも、毎日同じ動作が繰り返され同じ歯に一定の負担が加わり続けることで、歯並びに悪影響を及ぼすという指摘があった。

 「歯並びを悪くする習慣はどのような歯並びになりやすいか(複数回答可)」の質問の回答は、「叢生(ガタガタ、八重歯等)」45.0%がもっとも多く、「出っ歯」29.6%、「受け口(下顎前突)」28.9%と続いた。「幼いうちから歯並びが悪いとどのような影響があるか(複数回答可)」の質問では、「虫歯になりやすい」48.0%がもっとも多く、「歯周病になりやすい」32.6%、「輪郭に影響が出る」30.4%と続いた。歯並びが悪くなることで、歯磨き時に磨き残しが出てしまう原因となり、虫歯や歯周病になるリスクを高めると考えられる。

 歯並びが悪くなることによる悪影響について、何歳ころからどのような影響が出るのか具体的に聞いたところ、「7歳ぐらいから偏頭痛の症状が出る」「中学くらいから運動能力に差が出る」「4~5歳から虫歯になる確率が上がる」「永久歯が生えるころから虫歯ができやすくなる」「14歳ごろから矯正が必要になる」「5~6才くらいで前歯が永久歯に変わるころから、歯並びが悪くなる」等の回答があった。

 「1度悪くなった歯並びは成長とともにどう変化するか」との質問では、「多少は綺麗になるが完全には治らない」が55.7%で最多、「悪くなったまま綺麗になることはない」37.8%。「成長とともに綺麗になる」は6.5%にとどまった。9割以上の歯科医師が、ひとたび歯並びが悪くなってしまうと、完全には綺麗にらないと指摘しており、成長と共に自然に歯並びが綺麗になることはないとわかる。

 「子供の場合、悪い習慣を早めに改善することで歯並びの悪さを予防・改善できるか」の質問の回答は、「改善できる(31.6%)」「ある程度は改善できる(54.8%)」と、8割以上の歯科医師が早めに悪い習慣を断ち切れば歯並びの悪さを予防・改善できると考えていた。
《大田芳恵》

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