2023年卒採用は一転…前年より「増える」が減るを上回る

 リクルートワークス研究所は2021年12月22日、2023年卒の新卒者(大学生・大学院生)を対象とした採用見通しに関する調査結果を公表。前年と比較して、新卒採用数が「増える」企業が10.9%あり、前年より「増える」が「減る」を上回った。

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2023年卒者の新卒採用の見通し(大学生・大学院生)
  • 2023年卒者の新卒採用の見通し(大学生・大学院生)
  • 従業員規模別 2023年卒者の新卒採用見通し(大学生・大学院生)
  • 業種別 2023年卒者の新卒採用の見通し(大学生・大学院生)
  • 2023年卒者の新卒採用の見通し(高校生)
 リクルートワークス研究所は2021年12月22日、2023年卒の新卒者(大学生・大学院生)を対象とした採用見通しに関する調査結果を公表。前年と比較して、新卒採用数が「増える」企業が10.9%あり、前年より「増える」が「減る」を上回った。

 調査は、従業員規模5人以上の全国の民間企業4,519社を対象に、10月6日~11月10日、電話またはファクスで実施。前年と比較して、新卒採用数が「増える」企業は10.9%あり、「減る」は3.9%だった。

 「増える-減る」のポイントは+7.0%ポイントとなり、2022年卒の-3.9%ポイントから一転してプラスとなった。また、「わからない」が2022年卒の26.1%から24.1%と-2.0%ポイントと減少するものの、コロナ禍で引き続き採用人数の判断に慎重な企業も残った。

 業種別に見ると、多くの業種において「増える」が「減る」を上回った。特に「増える」が大きく上回っている業種は、飲食店・宿泊業(+14.0%ポイント)、情報通信業(+10.9%ポイント)、機械器具製造業(+10.6%ポイント)となった。

 新卒採用見通しの前年比較の推移では、「増える-減る」のポイントは+7.0%ポイント。コロナ禍による景況感の悪化のため、2022年卒は10年間続いた採用数増加傾向が一段落し、マイナスとなった(-3.9%ポイント)。しかし、2023年卒はコロナ禍による採用意欲の停滞からの反動で、一転してプラスとなった。「増える-減る」のポイントの伸び幅は+10.9%ポイント(2022年卒の-3.9%ポイントから2023年卒の+7.0%ポイント)となり、これは比較可能な2011年卒以来で最大の伸び幅だという。「減る」と回答した企業は3.9%で2011年卒以来もっとも少なくなった。

 人材採用戦略として初任給の引き上げを実施または予定しているかについては、「すでに取り組んでいる」企業は21.8%、「今後取り組む予定である」企業は22.7%となり、あわせて44.5%の企業が初任給の引き上げを実施、もしくは予定している。

 10月1日時点の2022年卒の新卒採用の充足率(=2021年10月1日時点の内定数÷2021年4月時点の採用予定数)については80.5%と、全体では計画通りに採用が進んでいない。なお、前年は6月時点での採用予定数を用いて算出しているため単純比較はできないが、前年の80.5%と同水準となっている。

 また、2023年卒の高校生を対象とした新卒採用見通しは「増える」(5.8%)が「減る」(2.7%)を上回った(+3.1%ポイント)。「増える-減る」のポイントは、2022年卒の-2.5%ポイントから+3.1%ポイントへ、伸び幅は+5.6%ポイントとなり、大学生・大学院生と同様にマイナスからプラスに転じた。
《田中志実》

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