通常学級の発達障害児の「学び」を、どう保障するか…刊行

 小学館は著者田中裕一氏の「通常学級の発達障害児の『学び』を、どう保障するか」を2022年2月15日に発売した。発達障害児の実態や手立て等、特別支援の現場や行政に携わった著者ならではのリアルを反映している。5月下旬にオンラインセミナーも開催する。

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 小学館は著者田中裕一氏の「通常学級の発達障害児の『学び』を、どう保障するか」を2022年2月15日に発売した。発達障害児の実態や手立て等、特別支援の現場や行政に携わった著者ならではのリアルを反映している。5月下旬にオンラインセミナーも開催する。

 通常学級に在席する「発達障害」児童の「学び」の保障が、いま注目されている。2016年4月に障害者差別解消法が施行され、2017、2018年度に学習指導要領が大きく変化した。障害のある子供の学びを支える仕組みは確実に前進しているが、それと同時に、子供を取り巻く社会環境が複雑化していて、学校だけで支えることは困難な状況にある。前文部科学省特別支援教育調査官で兵庫県教育委員会特別支援教育課副課長の著者は、発達障害児の「学び」を保障するには、教育と家庭と福祉が連携することが不可欠だという。

 同書は通常学級に通う発達障害のある子供の就学から進学先・就職先への移行支援(引継ぎ)等について、子供のライフステージに沿った形で好事例を多数ピックアップし、それぞれの事例について、ポイントになった部分を示すとともに、参考となる情報を記載している。受験の際の「合理的配慮」等の事例も具体的に載せている。

 子供を支える好事例の他にも、刻々と変化する子供たちを守るための「法律」や「ルール」についても、考え方や法律・制度等を図表でわかりやすく解説している。さらに、学校・家庭・福祉に携わる11人の実践的なコラムもある。現場の課題が浮き彫りになっている、当事者の大学生や親子の声もある。

 発達障害児の実態や手立て等、長らく特別支援の現場や行政に携わった著者ならではのリアルを反映しているので、学校関係者、保護者、福祉現場等特別支援に関わるすべての人に訴求できる書だという。「子供は1人1人自分の学びがある、具体的な事例を通して、学校・家庭・福祉への大きなヒントになる1冊」だと、大阪教育大学名誉教授竹田契一氏は推薦している。

 発刊を記念して、著者の田中裕一氏と我が国の研究の第一人者である師の竹田契一氏、そして高山恵子氏の発達障害の専門家3人によるオンラインセミナー(全3回)を、教師や教育関係者、福祉関係者、保護者を対象に、5月下旬に開催する。詳細は4月上旬にWebサイトに掲載する。

◆通常学級の発達障害児の「学び」を、どう保障するか 学校・家庭・福祉のトライアングル・プロジェクト
定価:1,870円(税込)
著者:田中裕一

◆発刊記念オンラインセミナー(全3回)
開催日:5月下旬
場所:オンライン
対象:教師や教育関係者、福祉関係者、保護者
※詳細は4月上旬にWebサイトに掲載
《大田芳恵》

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