【大学受験】過去問10~20年分を「偶奇に分ける」…差が付く過去問活用が合格のカギ

 決して魔法のような方法ではなく、努力をともなう着実な方法で難関大学に、より高い確率で合格するための秘訣を伝授する草下靖也氏の著書「プランブロック式 ゼロから理系難関大学に合格できる 戦略的学習計画法」(KADOKAWA)より、「過去問」の活用法を紹介する。

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過去問は偶奇に分けて計画的に活用する!
  • 過去問は偶奇に分けて計画的に活用する!
  • 過去問は目的別に3つの時期に分けて最大活用する!
 大学受験を控える生徒たちの「不安」。その不安の原因の大部分は「先行きが漠然としていて、何をどうしていけば目標が叶えられるか「具体性」がないこと」ではないだろうか。難関大学の競争倍率は、全国から優秀な高校生が集まる中で5倍を超えることも多々あり、合格を掴むために多くの時間を学習に費やす必要がある。

 東京都内の個別指導専門塾「生徒派」で15年以上、大学受験生を指導している草下靖也氏は、「生徒ひとりひとりに対して適切な『戦略的学習計画』、すなわち『受験勉強の全体像』を示すことによって、生徒たちがより『広い視野』と『具体性』、そして『自信』をもって勉強できていることが、合格を掴む大きな要因だ」という。

 決して魔法のような方法ではなく、努力をともなう着実な方法で難関大学に、より高い確率で合格するための秘訣を伝授する同氏の著書「プランブロック式 ゼロから理系難関大学に合格できる 戦略的学習計画法」(KADOKAWA)より、「過去問」の活用法を紹介する。

過去問の活用法 差がつく過去問の使い方!



 過去問を活用する意義は2つ! 1つ目は合格のための『絶対基準の目標』になることだ。そして2つ目は、過去問を使った実践テスト型演習を繰り返すことが、『入試本番までに得点率を上げる最強の勉強法』になることだ。

過去問は目的別に3つの時期に分けて最大活用する!




6~9月 立志期(目標を知る)
 志望校の最新年度の英語と数学(理科はやらなくてOK)2年分の過去問を解こう。時間制限は設けなくて良い。掲載がある場合は、合格者最低点と合格者平均点を必ず確認しよう! 合格者平均点が絶対的な目標となる!

10~12月 分析期(過去問の分析をし、学力補強をする)
 理科も含む全科目の志望校の過去問を解いて傾向分析と対策を行おう。まずは時間無制限で解いて6~7割得点できることが目標となる。余裕が出てきたら本番通りの制限時間で実践テストをやってみよう。頻度は1週間に1年分から2年分。ただし直前対策期(1~2月)の実践テスト用に少なくとも3年分は解かずに残しておこう。10月頃からは、共通テスト(旧センター試験)の過去問演習も全科目、週1年分のペースで、それぞれ制限時間を計って行おう。

1~2月 直前対策期(実践テストを繰り返し得点力を伸ばす)
 本番通りの制限時間で実践テスト型演習を行う。時間が足りなかった場合は、時間を延長して解いてみよう。このとき、時間を延長して解く分は色ペンを使って解くようにすることが大切。必ず「時間内の点数」と「時間外(色ペン分)を含めた点数」を両方計算して比べて、「時間内でできるだけ高い点数を取るためにはどうすれば良いのか」を考えよう。時間が余った場合は絶対に早めに切り上げたりせず、制限時間の残り時間で見直しをする練習をする。
 直前対策を繰り返す中で解く順序を工夫したり、記述力を磨いたりして、1点でも多く得点する戦術を磨いていく。各科目の直前期の演習方法は各科
目プランブロック参照。共通テスト1ヵ月前からは、共通テストと一般試験(二次試験)を2:1~3:1くらいの配分でやると良いだろう。

偶奇で分ける!過去問活用法!



過去問は偶奇に分けて計画的に活用する!


 以下の1~4の手順のように、志望校の過去問10~20年分を偶数年・奇数年に分けると使いやすい。


1.入手した過去問を偶数年組と奇数年組に分ける。
2.最新の過去問がある組(上記例では偶数年組)のうち1年分と、最新の1年分の合計2年分を立志期用にする(※立志期に最新年度を扱うのは、現在の傾向と難易度を知ることができ、目標を知るという意味で最適であり、さらにそれらの問題と同じ題材が連続して出題される可能性は低いからだ)。
3.2の作業をして残った過去問(上記例では2014、2016、2018)は分析期用にする。
4.2の作業をしなかったグループ(上記例では奇数年組)の5年分は、直前対策期用とする(※状況に応じて、この中から2年分までは分析期に使用しても良いが、少なくとも3年分は直前期に残しておこう)。
※ 本書のプランブロックでは12年分の過去問を解くことを目安にしているが、大学によっては12年分集めるのが大変だったり、傾向が大きく変わったりしている場合がある。例えば5年分しか過去問が手に入らないときは、立志期(1年分)、分析期(2年分)、直前対策期(2年分)のように分けて大切に使う。また、もし志望大学と難易度・傾向が似た大学(学部・学科)の問題を見つけられる場合は、直前対策期にそれらの問題をあわせて練習するのも良い。

プランブロック式 ゼロから理系難関大学に合格できる 戦略的学習計画法

発行:KADOKAWA 著・イラスト:草下靖也/監修:山本咲希
<著者プロフィール>
●草下靖也:東京大学教育学部卒。都内で運営する個別指導専門の進学塾「生徒派」は入塾1年待ちという人気を博している。また、徹底的にこだわり抜いたオリジナル教材・カリキュラムを強みとする化学専門予備校「花塾」を立ち上げ、現場の最前線で日々生徒たちに全力で向き合っている。ブログやSNSは苦手なのでやっていない。持てる力の全てを生徒の指導、教材作り、講師の育成に注ぎ続けている。対話ができる個別指導と、徹底的に学習者の視点にこだわった教材作りを生きがいとする職人肌。医学部受験指導を最も得意としている。
●山本咲希:北里大学薬学部卒。大学では首席表彰を受けている。薬剤師として勤めながら、弱冠24歳にして学習塾「生徒派」顧問を兼任、「生徒派」を業界一ホワイトで充実した職場環境にするためアルバイトや社員の働き方、システム改革を行い、その内部充実のおかげで今や入塾1年待ちという塾へと変貌させた立役者。生徒一人一人に寄り添いながら、各々のポテンシャルを最大限に引き出し、担当生徒を毎年医学部・難関大学合格に導いている。さらに全国の塾・予備校の良さと持ち味にアジャストした教務コンサルティングで活躍している。

《リセマム》

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