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【大学受験】「やることが多い」総合型選抜の5つのステップ

 学校推薦型選抜・総合型選抜による大学への入学者が、大学入学者全体の半数を超え、注目度が年々高まっている。わが子はどんな大学・学部の入試に向いていて、いつ何を準備するべきなのか? 総合型選抜で合格をつかむためのロードマップを紹介。

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  • 総合型選抜「合格のロードマップ」(『総合型選抜は何を評価するのか いますぐ知っておきたい新しい大学入試のリアル』より)
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 学校推薦型選抜・総合型選抜による大学への入学者が、大学入学者全体の半数を超え、注目度が年々高まっている。わが子はどんな大学・学部の入試に向いていて、いつ何を準備するべきなのか?

 追手門学院大学客員教授、教育ジャーナリストとして現在、大学入試に関する記事を大手メディア中心に執筆しつつ、毎年、全国300塾の関係者を取材し、入試に関する「独自データ」を集め続けている西田浩史氏は、「思いつきや場当たり的な対策では総合型選抜での合格は難しい」と語る。

 本記事では、総合型選抜の5つのステップを、西田氏の著書『総合型選抜は何を評価するのか ~いますぐ知っておきたい新しい大学入試のリアル』から紹介する。(本記事は、西田浩史の著書『総合型選抜は何を評価するのか  いますぐ知っておきたい新しい大学入試のリアル』(かんき出版)の一部を抜粋・改編し掲載している)

総合型選抜の5つのステップ

 総合型選抜で合格するための準備を、5つのステップとして紹介します。まずここで言いたいのは、このステップをスムーズにこなせる高校生はなかなかいないということです。ですから、少しでも前に進めないと感じたら、すぐに高校の担任の先生、保護者、塾の先生などに相談をして、1つでも多く手伝ってもらうことが大切です。

 下の図を見てください。

総合型選抜「合格のロードマップ」(『総合型選抜は何を評価するのか いますぐ知っておきたい新しい大学入試のリアル』より)

 各ステップは、できるだけ簡単に、そしてコンパクトに説明しますので、しっかり読んでください。思いつきや場当たり的な対策では総合型選抜での合格は難しいのです。一般選抜同様、計画的に準備を進めることが大前提、ということは強くお伝えしておきます。

 また、本格的には、高校3年生になってから取り組みますが、高校1、2年生の段階で(ひとまず)動き始めることも大切なポイントです。もし、現時点で高校2年生ならば、実は時間は思ったほどありません。そのあたりも頭に入れてもらいつつ、以下、それぞれのステップの内容をお伝えします。

ステップ1 志望大学・学部のリサーチ(マッチング先探し)

 塾や高校ではこの部分は最後に行うことが多いです。私がそうしないのは、単に「やることが多い」「やることが大学・学部によってまちまち」なので、効率的に進めるためにも、最初に持ってきました。この方法は特に、何に興味があるのかわからない人には有効です。大学・学部探しから、自分が興味のあることを知ったり、決めてしまってもいいと思います。ひとまずここではあまり多くの時間をかけないことです。

 もちろん、ステップ2の「自己分析」と「目標設定」を最初に実行するのもありです。ですが、ステップ1の決め方によって、入試の選抜方法や対策法、合格率が変わることを頭に入れてください。このステップで大切なのは、マッチングの考え方です。ざっくりとした憧れ、自分の関心や目標に合った大学・学部・学科を探します。そして、その大学が求めている学生像や教育方針が自分に合っているかも調べましょう。何度も言いますが、ここはざっくりで大丈夫です。各大学の公式サイトにはアドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)が公開されています。これを参考にしながら進めていきます。

 「本学はこんな資質を持った学生を求めます」

 これがアドミッション・ポリシーです。難しい文章でハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、その内容を自分なりに読み解き(正しい解釈などはオープンキャンパスで大学職員などに聞きましょう)、自分の資質やこれまでの経験と照らし合わせていきます。
自分がその大学のカラーにフィットしそうか? を考えるのです。「ここなら自分の力を発揮できる」「ここでなら成長できそうだ」と感じられる大学こそ、総合型選抜でめざすべき価値のある志望校でしょう。自分の感覚がフィットした部分は必ずチェックしましょう。そして、その部分を志望理由書や面接の練習の際に参考にします。逆に言えば、大学の求める人物像と離れていると感じる場合は、別の大学や学部を探しましょう。違和感は大事です。これだ! と思えるまで探してください。いくつか候補をピックアップしたら、オープンキャンパスや説明会などに積極的に参加しましょう。

 実際に教授や在学生の話を聞くことで、志望理由書に書く材料も得られますし、内容にも厚みが出てきます。モチベーションも高まるはずです。志望校が決まったら、その大学の募集要項をくわしく調べ、総合型選抜で課される書類や試験内容を確認します。ちなみに、自分が受験する年度の要項が公表前の時期であれば、前年度のものでも構いません。「募集要項」は、入試までに「何を」「どうすべきか」がわかる指南書といえます。ですから徹底的に分析、読み込みましょう。

 さらに、「志望理由書は何文字なのか」「出願に英検などは必要か」などの注意事項は必ずチェックします。出願の際の、書類不備防止のためにも大切なポイントです。というのは、大学関係者の方は口をそろえてこのようにお話しされます。

 「出願書類の不備が本当に多い。年々増えている

 大学によっては、書類の不備が大きなマイナスになります。注意しましょう。

● 提出書類:志望理由書、活動報告書、推薦状、課題の有無、自己PR書など(文章の量や、書く内容を知る)
● 試験内容:小論文(過去問題を見て、どんな問題形式か?)やプレゼンがあるか?
● 面接形式:個人面接か? グループ面接か? 回数は何回か? 口頭試験の有無など
●(国公立であれば)大学入学共通テストの課否


 最低限これらを把握したら、逆算してスケジュールを立てましょう。1人でやるのが難しそうなら、保護者や担任の先生に相談しましょう。「出願は9月○日だから、夏休みまでに志望理由書のドラフトを完成させよう」「○月に面接があるから、それまでに模擬面接を5回はやろう」このように具体的な計画に落とし込みます。スマートフォンの「Googleカレンダー」などで親子で共有するなど「見える化」するといいでしょう。高校2年ならまだ部活動の大会行事などがあると思うので、これらに影響を受けそうな日も考慮して計画を立ててみてください。

 さらに、高校3年でまだ一般選抜の勉強も続けている人は、勉強との両立も考えましょう。無理のない計画を立てつつも、「書類締切は動かせない」ことを念頭に、とにかく早めの準備を心がけてください。

ステップ2 自己分析と目標設定

 このステップ2が総合型選抜対策の最も重要なステップです。ポイントは「ひとまず始めること」です。実はこのステップ2でつまずく人がとても多い。つまずく原因は「何も思いつかない」です。ですので、以下で説明する内容を「ひとまず」1つずつ進めていきましょう。ここで大事な点は、協力者を得ることです。まずは学校の担任の先生にお願いしてください。今後、内申書作成など複雑な出願があ
るので、担任の先生をはじめとした学校の先生方の協力は必須です。私の経験上、協力者が多ければ多いほど受験生の合格率は高い傾向があるので、最初のステップとして協力者をできるだけたくさん見つけてください。

 では、早速始めましょう。まずは、志望理由書で必要な自己分析です。前章でも触れましたが、箇条書きで以下のことを書き出しましょう(もちろん、短く文章にしてもOKですよ)。

① 何に興味があるか? なぜそれに興味を持ったのか?
② どんな強み・長所があるか?
③ 逆にどんな弱みがあるのか? それをどう乗り越えたか?
④ 将来どんな分野で活躍したいか?【目標&ビジョン】
⑤ 大学で何を学びたいか?【目標&ビジョン】


 パッと思いつかなくても大丈夫です。特に高校1、2年生であれば、1ヶ月くらい高校の担任の先生や保護者、塾の先生からアドバイスを受けながら、とにかく思ったこと、思いついたことを話し、時間をかけて模索してください。時間がない高校3年生で、しかも何も思いつかない……という人は、憧れる有名人や身近な人を何人か思い浮かべてください。ここで恥ずかしがってはいけません。自分にウソをつかないで正直になることです。該当する人がいなければ、書籍やSNS上などで探してみるといいでしょう。

 そして、憧れの人の経歴を調べて、自分の将来と重ねて想像しましょう。そんなのでいいの? と思った人。いいんです。すでに成果を上げた人をお手本にすることはネガティブではなく、むしろポジティブなことです。ぜひマネしましょう。もし、憧れの人がすごすぎる場合、経歴のすべてではなく、重ねて想像できそうな部分だけをピックアップしましょう。その上で、それに近づくために、大学をどのように利用するのかという視点で考えましょう。その後、興味のある分野の本を読んだり、実際に体験イベントや見学に行ってみたりして視野を広げましょう。とにかく「楽しんで」することです。

 ステップ3~5(2026年5月7日公開予定)に続く。


《編集部》

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