中学での成功体験がきっかけで数学・物理好きに
--物理・数学に目覚めたのはいつ、どのようなことがきっかけだったのでしょうか。
物理や数学に関しては、気付いたら好きだったという感じです。子供のころから本を読むのがすごく好きで、家にはカラーの図鑑がひと通り揃っていました。それらを眺めているうちに、自然と理科に興味をもち、科目でいうと物理が好きになったんだと思います。
数学については、特別子供のころから好きだったわけではなかったんですが、あるとき中学の数学のテストでとても難しい問題が出たことがあって。パズルのような、ひねった問題だったのですが、学校でその問題が解けたのが僕1人だけだったんです。そこで初めて自分は数学が得意なんだと認識しました。それが成功体験となり、そこから本当に数学が好きになりました。
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当時のことを今でもよく覚えているのですが、先生が「数学指導員証」という免許証のようなオリジナルカードをくれたんです。「あなたは学校で一番数学ができました」という認定証みたいなものなんですけど、それをもらった人は授業前にみんなの前で黒板に自作の問題を書くんですよね。それを毎週のようにやっていたことが「人前に立って何かを教える」という今につながる原点になっていると思います。
--YouTubeチャンネル「予備校のノリで学ぶ『大学の数学・物理』」は現在90.3万人もの登録者がいますが、大学院在学中にチャンネルを立ち上げたきっかけを教えてください。
まず、大学に入った瞬間から授業が思ったよりも面白く感じられなくて。単に内容が難しいからというのもありますが、大学の先生というのは研究が評価されているのであって、必ずしも学生に教えることが上手なわけではないんですよね。
高校までは塾や予備校があって、教えるプロである講師がいて、参考書もたくさんあるのに、大学に入ったらいきなり放任されるというか。上手に授業を選択するコツもわからないし、わかりやすく解説してくれる授業というのもなかなかない。さらに、予備校みたいに競争したり周りと切磋琢磨できる場所がないというのはずっと感じていたんです。
だったら自分が予備校講師として携わっていた経験を生かそうと、YouTubeチャンネルでの授業動画配信をスタートしたのがきっかけです。5年前、大学院博士課程1年生のときですね。そこからものすごい飛躍があったというわけではないんですけど、少しずつ積み重ねて、配信動画数は700本を超えるまでになりました。移り変わりが激しいYouTubeの世界で5年続けてこられたというのは単純にうれしいですね。月に10本ほど動画をアップしていますが、物理・数学に関しては一生かけても終わらないくらいテーマはあるので、まだまだ続けられます。
画面越しでも「見られている」という感覚が大事
--理系大学進学を目指す高校生たちから、現役の大学生・大学院生まで大変人気ですが、映像授業を制作するときにどのようなことに気を付けているのでしょうか。
第一は、見てもらえる工夫です。対面授業ではあまり意識しなくても目の前に講師がいるというだけで注意を引けるんですけど、自宅で視聴している場合はまわりに誘惑や気が散る要素も多いので、集中してもらうための工夫を取り入れるようにしています。
たとえば、動画配信に慣れていない方がやりがちなのが、カメラのレンズをちゃんと見ていないというもの。自分が写っているモニターを見ながら授業をしてしまうと、動画を見ている相手側とは目が合わないんです。これって実はすごく違和感があるんです。僕はモニターをまったく見ずに、レンズを生徒だと思って見ています。生徒が画面を見たときにちゃんと目が合うことで「画面越しでも見られている」という意識になり、集中力が続くことにつながります。
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レンズを生徒だと思って見ています」
また、映像授業が対面授業と大きく異なるのは、画面上では話者の存在感がすごく大きくなることです。リアルの対面授業では視界の中で講師は本当に小さいですが、画面の中では前で話す僕が占める割合が大きいので、あまり激しく動くと画面が変化してしまい、集中しにくくなるのです。なので、特に大事な話をするときには動きを止める、といったテクニックを実践しています。
--オンライン授業や面接、会議などで、子供から大人まで画面越しに人と話す機会が増えてきているので参考になります。話し方について相手を引き付けるコツはありますか。
「何か大事なことを話すぞ」という雰囲気作りはすごく大切ですね。淡々と話していては、相手はどこが大事かわかりません。大事な話のときには、しっかりと動きを止めて、まっすぐ見て少し声のトーンを落として話すように、緩急をつけることを意識しています。
エンタメ系のYouTuberの方は、続けて見てもらうことが目的なので声も大きいしテンションも高いですよね。僕は授業動画なので、ずっとハイテンションでしゃべってしまうと、それこそどこに集中したら良いかわからなくなってしまいます。僕の場合はなるべくペースを一定に保って淡々と話しつつ、「ここからが重要」というところで声に抑揚をつける。すると下を向いてノートをとっていても「ハッ」と顔を上げてくれる。それは動画も対面も一緒です。
理系の勉強に外付けモニターはマスト
--今回アイケアモニターとスクリーンバーライトを使っていただきましたが、普段は外付けモニターをどのように使っているのでしょうか。
もともと僕にとって外付けモニターはかなり身近なデバイスです。大学院で研究をするうえで必須でしたし、モニターを使っていない大学院生はほぼいないのではないでしょうか。
というのも、研究で論文を参照するときに、何十ページもある紙の資料では限界があるというか、ものすごい量になってしまうんですよね。ならば電子画面で見ようと思ったときに、やはり文字がびっしり書いてある論文は、ノートパソコンのモニターではかなり読みにくいんです。しかも閲覧にパソコンを使っていると同時に他の作業ができないので、外付けモニターが必要不可欠になってくるんです。
現在も、授業の準備のために調べものをしたり、同時に資料などを参照することがよくあるので、正面にパソコン、サイドテーブルにモニターを2台置いて、さらに画面が分割できるように設定して使っています。
--今回使っていただいたBenQのアイケアモニターGWシリーズが家庭学習、受験勉強と相性が良いと感じた点を教えてください。
まず使ってみた感覚として、長時間見ていても目が疲れにくいのが良いですね。動画やタブレットでの学習が今まで以上に一般的になって、実際の受験生や生徒は我々よりもずっと長い時間モニターを見ていると思います。そのときに画面の輝度が合っていないとすごく目が疲れるので、自動調整してくれる機能は有難いですね。
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僕的には、簡単に縦にできる機能(エルゴノミクスデザイン)がイチ推しです。モニターを縦にすることで、電子書籍や論文といった資料が格段に読みやすくなるんですよ。せっかく大きいモニターを使っても、縦型の資料を横位置で閲覧にすると2分割になってしまって、結局半分のサイズで見なければいけない。僕は縦で使うためにわざわざモニターアームを取り付けていたので、初めから縦型に90度回転ができるこのGWシリーズのアイケアモニターはすごく魅力的だなと思います。
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モニターやパソコンの画面は最初からある程度光ってくれているので、照らしたいのは自分の手元ですよね。中高校生になると夜に勉強することも多いと思うので、手元が明るいというのは勉強に向いていると思います。スタンドを設置しなくて済むのでデスク周りもスッキリしますし。上部に取り付けることで画面に直接ライトが当たらないので、普通のスタンドライトと比べて画面もかなり見やすいです。
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映像授業は、見聞きしながらノートをとることが大事
--アイケアモニターとパソコン、学習教材等、勉強に必要なアイテムがデスクに増えていきますね。アイテムの配置のアイデア、数学・物理の学習活用のアドバイスを教えてください。
普通にノートパソコンを前に置いて授業を見ている方は多いと思うのですが、モニターやタブレットを使った方が良いというのは前々からよくアドバイスしています。やはりノートパソコンを手元に1台置くとかなり場所をとるので紙のノートを置くスペースがなくなってしまいます。パソコンは脇に置いておいて、目の前にモニターだけがある状態にしておくのがおすすめです。モニターが目の前にあって、それを見ながらノートを取るという形が一番、映像授業の学習には向いていると思います。
特に数学や物理は自分で手を動かして、計算をしなければならないのでノートを書くためのスペースはマストですね。モニターを使うことによって、ノートのスペースが確保できるというのは、映像授業を最大限活用するうえでのポイントになってくると思います。
手書きでノートをとることが大事というのは、対面でも映像授業でも一緒。ノートをとらずにただ動画を見ているだけというのは、映像授業を受ける失敗例です。動画を見ただけで満足したり、一見わかったような気になったりしてしまうのは、もっとも注意してほしい点です。
--家庭で学習に取り組みやすい環境をつくるために、保護者にアドバイスをお願いします。
大きく2点あります。ここ数年で大いに普及してきた「動画を見て勉強する」というスタイルは、親の世代だとまだネガティブな印象をもっている人も多いと思うのです。ですが、時代は完全にデジタル化に向かっています。本当に良い先生の授業を受けたいと思ったときに、リアルで探して受講するには限界がありますから。それがオンラインの世界では何百人の先生やいくつものコンテンツの中から自分にとって良い授業に出会うことができるのです。「動画を見て勉強すること」に対してのハードルを下げてほしいというのが1つ目です。
もう1つは、パソコンやモニター、タブレットといった電子機器を用いた学習スタイルに合わせて、必要な机のスペースを見直すことも大事だと思います。学校の机の大きさくらいあれば勉強できるのではと思ってしまいがちですが、それは黒板が前にあるからで、映像機器を併用する学習では成り立ちません。実際に、自宅で映像を使って学習するとなると、手元にノートやテキスト、資料が増えるので、机は広ければ広いほど良いと思います。スペースがあれば、いちいち本を出したり開き直したりするストレスも減って、勉強の効率アップにもつながります。
映像授業が当たり前になった今は、それこそノートや鉛筆と同じぐらいモニターやパソコンが必須な道具になっています。そういった電子機器は社会人になってからも使いますし、なるべく希望どおり揃えてあげられるよう、教科書や参考書にお金を出すのと同じような感覚で協力してほしいですね。
--ありがとうございました。
BenQのアイケアモニターGWシリーズ最新製品「GW2485TC & GW2785TC」
ヨビノリたくみ氏に聞いた5つのお気に入りポイント
組み立てストレスがゼロ
パソコンやモニターといった電子機器を買うときは、組み立てや設定がちゃんとできるかどうか不安ですよね。届いたら説明書いらずで簡単に組み立てができて、すぐ使えるようになりました。
90度回転して縦型表示が可能
個人的にはこの「エルゴノミクスデザイン」が一番かもしれないです。モニターといえば横型主流で、こんなに簡単に縦型になるモニターは他社製品にはなかなかありません。教科書や論文を読むときはもちろん、プログラマーの人がコードを書くときなど専門的な用途にも適しているでしょう。
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とヨビノリたくみ氏お気に入りのエルゴノミクスデザイン
ブルーライト軽減プラス/輝度自動調整機能
目の疲れの原因となるブルーライトをカットしてくれるのはうれしい機能。受験生ともなると、一日に何時間と画面に向かうこともあると思います。部屋の明るさや周りに合わせて自動で明暗を調整してくれるのはありがたいですね。
USB Type-C接続
スマホやさまざまな電子機器を使いこなすうえで、自分が持っているものに対応しているかどうかも大事です。USB Type-Cであれば、今後出てくるあらゆる電子機器に対応できるので、変換器等を使わなくていいのは◎。コードやデスク周りもスッキリします。
USB Type-C接続による給電機能
パソコンやモニターといった機器を使っているとコンセントが足りなくなってしまうことが多々あるのですが、スマホやタブレットも最近はUSB Type-Cで給電できるものが増えているので、そのままつないで充電できるのはかなり便利です。
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高性能ノイズキャンセリングマイク
オンライン会議や打ち合わせのときは内臓マイクを使うので、相手の声が聞こえやすいというのはよりスムーズです。配信動画用には外部マイクを使用していますが、再生する相手のデバイスでも、こちらの音声がクリアに聞こえるというのはうれしいですよね。
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「映像で学ぶ」という選択肢が一般的になってきた今、パソコンや外付けモニターといった電子機器の使い方を知るだけでなく、さらにノートをとる場所や勉強机などの学習環境も合わせてアップデートをしていかなければならないと感じた。子供から大人まで使えるアイケアモニターが家庭に一台あれば、搭載されたさまざまな機能が一役も二役も担ってくれそうだ。
27インチ Full HD スタイリッシュアイケアモニター GW2785TC
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23.8インチ Full HD スタイリッシュアイケアモニター GW2485TC
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ScreenBar Plus モニターライト
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