AI時代、人間がすべき指導とは…城南コベッツが示す「個別最適化」実現のヒント

 個別指導塾「城南コベッツ」で2年前からスタートした「スタディ・フリープラン」。学習時間が飛躍的に増大する「定額・通い放題」ときめ細かな学習コーチングに込められた、学びの個別最適化へのヒントとは。城南進学研究社の村上寛氏に聞いた。

教育・受験 小学生
PR
インタビューに応じる城南進学研究社 直営事業部ブロック長 綱島教室教室長の村上寛氏
  • インタビューに応じる城南進学研究社 直営事業部ブロック長 綱島教室教室長の村上寛氏
  • インタビューに応じる城南進学研究社 直営事業部ブロック長 綱島教室教室長の村上寛氏
  • インタビューに応じる城南進学研究社 直営事業部ブロック長 綱島教室教室長の村上寛氏
  • 各校舎コロナ感染予防対策がとられている
  • 1対2個別指導で使用するデスク
  • 「スタディ・フリープラン」で時間の有効活用が可能に。
  • 独自のシステム「GoNAVI」の画面イメージ
  • 城南進学研究社 直営事業部ブロック長 綱島教室教室長の村上寛氏

 1961年開校の大学受験対策予備校「城南予備校」のノウハウを引き継ぎ、2004年に単独展開を開始した個別指導塾「城南コベッツ」。従来の「講師1人に生徒2人までの個別指導」に加えて、ここ数年さらなる目玉として実績を上げているのが定額・通い放題の「スタディ・フリープラン」だ。

 通塾生の指導満足度98.8%を誇る「城南コベッツ」のプログラムとは。城南進学研究社 直営事業部ブロック長 綱島教室教室長の村上寛氏に、それぞれの強みと学習効果について聞いた。

デジタル学習が当たり前の選択肢に

--GIGAスクール構想で1人1台端末が浸透しつつある今、貴塾生の皆さんの学びにも変化はありましたか。

 家庭や学校で自分専用の端末を手にするようになり、学生の学びにおいてデジタルデバイスを使うことが当たり前になりつつあります。デジタルネイティブ世代は、教えなくても感覚でどんどん使いこなしてしまいますし、デジタルを用いた学習が彼らにとってぐっと身近なものになったことは間違いありません。

 学齢別では、高校生は学校の課題も端末上で提出したり、メモ替わりにタブレットで撮影したりするなど、生徒たちは使いこなしている感があります。保護者の方が学生だったころにはなかった新しいツールとして定着してきていますね。

 小中学生に関しては、まだ楽しさが先行している印象です。学びの効率化というより、デジタル教材に楽しみながら触れている感じです。「これから」の部分が大きいのかなというのが個人的な感覚です。

塾や予備校を選ぶ指標の変化について話す村上寛氏

--デジタル学習が普及してきたという変化に関連して、塾・予備校に対するニーズは変わってきましたか。

 そうですね。特に個別指導に対する家庭からのニーズが変わり、多様化しています。今までは「基本は対面授業で、状況に応じてオンラインでも受講」といったスタンスが主流でしたが、すべてオンラインが良いという方や、逆に塾という場で対面で教わりたいという方、その間のグラデーションのように選択肢の幅が広くなってきたと感じています。

 家族が濃厚接触者になってしまったなど、本人の希望ではなく周りの状況からオンラインを選ばざるを得ないケースも出てくるので、塾や予備校を選ぶときに「オンライン対応」という指標はどのご家庭も重視されていると思いますね。

自分の生活に合わせて選べる「城南コベッツ」の学習プログラム

生徒ひとりひとりに最適化されたオーダーメイドプログラム

--オンラインのニーズが増えて、デジタル学習が普及してきた昨今ですが、それを機に提供を開始したサービス、注力するようになったサービスをご紹介ください。

 個別指導を掲げる私たち「城南コベッツ」では、従来からの「1対2個別指導」に加えて、「スタディ・フリープラン」を開始しました。少子化や入試の多様化といった流れのなかで教育が変わり、ますます学びが多様化・複雑化しています。「いかにして学習の質と時間を増やし、成績向上にコミットするか」ということを徹底的に考え抜き、もっとも大きな効果が望めるこの2つのプログラムを軸に、サービスを提供しています。

ひとりひとりの学習ペースに合わせた「1対2個別指導」

--「1対2個別指導」「スタディ・フリープラン」それぞれについて教えていただけますでしょうか。

 まず「1対2の個別指導」についてですが、保護者のみなさんが高校生や大学生だったころは、集団で授業をする塾や予備校が一般的だったのではないでしょうか。カリスマ講師と呼ばれる講師が1人で100人に向けて授業をする、なんてこともありましたよね。

 それが時代の流れとともに徐々に「個別」への期待が高まってきました。少子化にともないお子様1人につき投資される教育費が上がったこと、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試が増えて入試が多様化していることといった背景があるなかで、集団での学びというより、ひとりひとりの特徴に合わせた学びとして、個別指導が求められています。

 「私のわからないところ、私のためのカリキュラム」へのニーズが高まり、そこに届くサービスを追求するには、やはり「講師1人に生徒2名まで」といった個別指導が最適だと私たちは考えています。「1対2個別指導」であれば、進度が早くてついていけない、欠席したら振り替えがないといった集団塾にありがちな心配はありません。わからないことはわかるまで何回もやりますし、逆に十分理解できているところの説明は割愛してすぐに演習をするといった、個人に合わせたオーダーメイド感が「1対2個別指導」の最大のメリットだと思います。

 「城南コベッツ」の「1対2個別指導」では、「苦手科目を克服したい」「授業の理解を深めたい」といった目的に合わせて、1教科につき週1回80分から受講ができます。学習の進度や理解度、性格や得意・不得意分野など、生徒の状況を熟知した担任講師がついてくれるという安心感がポイントですね。

他塾にはない定額・通い放題の「スタディ・フリープラン」

--「スタディ・フリープラン」についてはいかがでしょうか。

 「スタディ・フリープラン」は、2年ほど前から導入した新しい定額制プランです。このサービスの前身となったのが、AI教材「atama+」のコンテンツを好きなだけ利用できるというものでした。「atama+」を使った学習指導の実績から、勉強時間と成績アップの相関を調べたところ、週1日のみ勉強した子と週2日勉強した子の比較において、後者で成績が上がらなかった子はいませんでした。さらに週に3日以上頑張っていた子は、9割以上が定期テストで1科目10点以上アップするという結果でした。ある生徒からは「これだけ勉強したからこそ、やっと勉強の仕方がわかった」という感想も聞かれました。

 このことから、学習コンテンツの質の高さはもちろんですが、やはり十分な学習時間というのは成績アップに欠かせない要素だということを再確認したのです。この調査を受けて生まれたのが現在の「スタディ・フリープラン」です。時間割を撤廃してフリータイム制を採用し、それに伴い受講料を定額化して通い放題にしたプランで、通塾のハードルともいえる時間と費用の制限を廃し、とことんまで自由度を高めたサービスです。

通い放題・学び放題「城南コベッツ」の定額制スタディ・フリープラン

--「通う頻度や習う教科を増やすごとにオプション費用がかさむ」といった心配がないのは保護者にとってはかなり有難いポイントです。

 「フリー」の名の通り、画一的な時間割はありません。生徒は平日18時から21時30分まで、何曜日でも、いつ来てもOKです。通塾する時間が取れないときには、もちろんオンラインでの学習を選択することも可能です。

 決まった時間割があると、せっかくの時間を無駄にしてしまうことが意外と多いのです。たとえば、部活が終わって19時から塾に来られるのに、次の授業は20時10分だからその間どうやって過ごそう…といった場面です。「明日は部活の朝練があり早起きなので、いつもよりも早めに来て勉強していつもより早く帰ります」という受け方でも問題ありません。時間割制を撤廃することで、生徒ひとりひとりの生活に柔軟に対応することができるのです。普段の生活の中で、無理なく勉強時間を確保できる仕組みです。

普段の生活の中で、無理なく勉強時間を確保できる「スタディ・フリープラン」

 また、あえて人間ではなく「AI・ICT教材を積極的に活用する」というのも大きな特徴です。「人に頼らずに教わる」ということにはメリットがあります。従来のように先生ありきで指導をすると、良くも悪くも属人的になりがちで、多角的にその子を眺めることが難しいことがあります。教え方にムラができる場合もあり、また、先生の異動や担当変更によって学習に支障が出てしまう可能性があることを非常に勿体なく感じていました。その点「スタディ・フリープラン」においては、「atama+」や「デキタス」といったAI・ICT教材を活用することで、ずっと変わらないやり方で、安定的に学習を継続することができます。

 一方、塾での学びをAI・ICT教材にすべて任せられるかというとやはりそうではありません。塾に入ってきた時の表情や、机に向かっている時の姿勢など、その日のその子のようすを汲み取って、声をかけ、コミュニケーションをとることによって、学びのモチベーションを上げ、教材に取り組める環境をつくること。それが、AI・ICT教材と人をベストミックスさせて活用する際に、人間が果たすべき役割だと思うのです。

学習計画やサポート、面談…人でしか実現できないコミュニケーション

--その分「城南コベッツ」の先生方は、教科書の内容そのものを教えるのでなく、計画を立てたり進捗をチェックしたりといった学習支援に力を割いてくれているのですね。

 生徒ひとりひとりのキャラクターや特性に合わせて目標を立てたり、学習計画の立案から進捗管理まで、きめ細やかなサポートができるのは、リアルで生徒と接している先生だからこそ。映像授業を受けた後に「どうだった?」と聞いて、生徒の表情が曇ったら「それならここの部分の復習をしてみたら」とアドバイスをします。「簡単だった」と返ってきたら「じゃあレベルを上げて、この教材をやってみようか」と別の教材を提案してみます。

--複数の教材を組み合わせて、個人にあった学習計画を提案してくれるのですね。

 指導体制としては「今日はこの単元の学習だよね」といったデイリーでの声かけに加えて、その週の進捗などを確認するウィークリー面談、定期テストの日程などもふまえて1か月単位で時間や教科学習指導計画を立てるマンスリー面談と、3つの段階で「マンツーマン指導」を行っています。1人の生徒に対して、担当の先生だけでなく、教室長や講師、スタッフ全員がコミュニケーションが取れる環境を目指しています。

「スタッフ全員がコミュニケーションが取れる環境を目指している」と話す村上氏

--そのような複数の先生が接してくれる貴塾で、各生徒の学習カリキュラムやスケジュールを把握するために活用しているのが「GoNAVI」システムですね。どのように活用しているのでしょうか。

 「GoNAVI」とは、学習スケジュールや学習状況を共有できる城南コベッツ独自のWebシステムです。通塾曜日を把握したり、ご家庭とメッセージのやりとりができたりといった保護者向けの機能はもちろん、学習の目標や成果を視覚化して管理できるツールです。

 「GoNAVI」上の学習カレンダーでその日やるべきことを確認し、今日は英語を60分、数学を60分勉強というように、学習時間を記録していきます。それらがマイデータとして計上され、日別・週別・月別の学習状況や時間が一目で確認することができます。

 我々スタッフは、生徒のマイデータをチェックして、目標の達成度合いや学習の進捗を確認します。ウィークリー・マンスリーの面談でのアドバイスの材料になるだけでなく「最近取り組めていないようだけど、どうしたの?」とコミュニケーションのきっかけにもなります。

学習進捗の確認だけでなく、講師とのコミュニケーションも可能な「GoNAVI」

さまざまなデジタルコンテンツを使い放題

--「スタディ・フリープラン」で利用できる各教材の特徴と活用メリットを教えてください。

 AI学習システム「atama+」は、予備校・塾などの多くの教育機関で取り入れられています。人工知能がひとりひとりすべて違う理解度、苦手分野に合わせて宿題も含めたオーダーメイド教材を自動作成してくれるというもの。

 他にもAI教材のサービスは数多くありますが、私たちが「atama+」を採用しているのは「さかのぼり学習」に秀でた教材だからです。不正解だった問題のつまずいた原因となる単元まで戻って演習を行い、その演習で間違うと、さらにそのもとの単元までさかのぼる。ひとりひとり異なるつまずきの原因をとことん改善する教材です。どの単元を何%理解しているかというのが可視化され、その苦手を補う講義動画などを提案してくれます。多くのAI教材が得意とする「苦手の分析」の中でも、つまずいた単元に戻って理解度に応じた演習を出し分けてくれるという部分で、頭ひとつ抜けたサービスだと評価しています。

 「デキタス」は学校や自治体でも導入していただいている、城南進研グループが開発提供する小中学生向けのオンライン学習教材です。主要5教科の教科書に対応した内容で、映像授業とそれに合わせた単元のテキストノートに基づいて学び進めます。〇×チェックや基本・標準問題を解いて、全問正解できたらチャレンジ問題に挑戦できるといった子供のやる気を刺激する作りになっています。自分の間違えた問題がデータとして残るので、苦手な分野を確認しながら復習できるのもポイントです。さらに、学んだことを自分のものにするためのWeb演習システムとして「デキタス・コミュ」というツールも提供しています。

 加えて定期テストの前などには教科書準拠の問題集を使って演習をしていきます。紙のテキストですが、教室のデバイスで解説授業が見られるようになっています。解説授業の中の演習に取り組むことで復習が完結します。定期テスト予想問題もあるので、しっかりやり込むことでテストでの高得点が望める教材ですね。

各自の学習計画に合わせて教材をセレクト「スタディ・フリープラン」

--大学受験生に向けた「城南予備校オンライン」についても教えてください。

 「城南予備校オンライン」は大学入試に向けたプロ講師の授業です。大学受験で60年の指導実績をもつ城南予備校がオンライン予備校としてリニューアルしたことを機に、通塾でしか受けられなかったプロの予備校講師たちの授業を、場所を問わずリアルタイムで受講することができるようになりました。大学入試を知り尽くしたプロフェッショナルの講師陣が、変わっていく大学入試を分析し、入試動向をふまえた授業を展開する、ライブのオンライン指導です。

 さらに今年から「城南予備校オンライン EX講座」という演習講座が加わりました。授業を担当するプロの講師が、講義内容に応じた演習やテストを出題するというもの。数多くの受験生を合格に導いてきた講師が直々に演習指導もしてくれるというサービスは、一般的な映像授業やオンライン予備校ではまず見られず、「城南予備校オンライン」の受講生はかなり恵まれていると思いますし、これだけでも受験生にとって圧倒的な強みになると思います。

「学びのキュレーター」としての塾講師の存在意義は大きい

「学びのキュレーション」こそが個別最適化の鍵

--質の高いコンテンツが受け放題、しかも宝のもち腐れにならないよう、先生方が適した学習計画を提案してくれるのが「城南コベッツ」の魅力だと感じました。最後に、個別指導を通じて生徒たちの成績アップに向き合ってきた先生から、塾選びをするご家庭に向けてメッセージをお願いします。

 目指しているもの、学びのスタイルはひとりひとり異なります。また世の中にいくつもあるデジタル教材も、それぞれにメリット・デメリット、合う・合わないがあります。私たち講師陣は各教材の特化している部分を知ったうえで、さらに生徒ひとりひとりの学びのスタイルやキャラクターも理解したうえで、それぞれの学習計画に応じて教材を「キュレーション」します。それこそが今の時代に求められる「学びの最適化」だと捉えているからです。

※キュレーション…情報を選んで集めて整理すること。あるいは収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業。

 新課程が導入され、入試改革で共通テストも変わりました。外部の英語試験を取り入れる学校が増えたり、文系の学部が数学を入試科目に取り入れたり、大学入試もどんどん複雑化しています。かつてのように「受験生はこれをやっておけば良い」という王道がなくなってきた今だからこそ、「生徒ひとりひとりに最適化されたオーダーメイド学習プログラム」を柱に、自分が今やるべきことは何か、何を使ってどう勉強するかというきめ細やかなサポートを、今後いっそう大切にしていきたいと思っています。学校のテストから高校・大学受験対策まで、成績アップに向け、一緒に頑張っていきましょう。

--ありがとうございました。

 手厚いサポートが受けられる「1対2個別指導」、生徒のニーズに合わせてフレシキブルな受講が可能な「スタディ・フリープラン」。どちらも生徒ひとりひとりを教室長・講師・スタッフが一丸となってバックアップし、共に歩んでくれるプログラムだ。学習のデジタル化が当たり前となりつつも、多岐に渡る教材の中で迷子にならないためには「人」によるサポートは欠かせない。城南コベッツが取り組む「学びのキュレーション」こそ、今叫ばれている「個別最適化」の鍵なのではないだろうか。

※講座設置の有無・内容は教室によって異なります。詳しくは各教室までお問い合わせください。
《吉野清美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top