【大学入学共通テスト2025】各教科の問題作成方針ポイント

 2022年4月から高校で新学習指導要領による授業が始まったことを受け、2025年度の大学入学共通テストより大幅な再編が行われる。ここでは、2022年11月9日に大学入試センターが公表した問題作成方針等を紹介する。

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2025年度大学入学共通テスト試作問題「情報」
  • 2025年度大学入学共通テスト試作問題「情報」
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 2022年4月から高校で新学習指導要領による授業が始まったことを受け、2025年度の大学入学共通テストより大幅な再編が行われる。ここでは、2022年11月9日に大学入試センターが公表した問題作成方針等を紹介する。

 公表された「問題作成方針の検討の方向性のポイント」によると、「国語」は言葉による記録・要約・説明・論述・話合い等の言語活動を重視。多様な資質・能力を問うことができるよう、大問を1つ追加する、配点は近代以降の文章が3問110点、古典が2問90点(古文・漢文各45点)。試験時間は90分。

 「地理歴史・公民」は、必履修科目(地理総合・歴史総合・公共)を組み合わせた出題科目と、必履修科目を学習した後に、履修する選択科目を組み合わせ出題。組み合わせは「地理総合・地理探究」「歴史総合・日本史探究」「歴史総合・世界史探究」「公共・倫理」「公共・政治経済」「地理総合・歴史総合・公共」の6科目から最大2科目を選択。ただし、「公共・倫理」「公共・政治経済」の組合せは選択できない。

 「数学」は、数学I・IIともに試験時間70分。新たに出題範囲となる内容は「数学I・数学A」の「データの分析(外れ値・仮説検定の考え方等)」、「場合の数と確率(期待値等)」「数学II・数学B・数学C」の「統計的な推測(仮説検定の方法等)」、「平面上の曲線と複素数平面」等。

 「理科」は、従来の理科1と理科2を1つの試験時間帯の中で実施する。選択科目の数や形式は従来通りで、経過措置科目は設定しない。ただし、必要に応じて旧教育課程履修者等が選択可能な選択問題を出題する場合がある。

 「英語」は、リーディングとリスニングを原則、両方受験。文字と音声の特性を生かして、「聞いた情報を整理して自分の考えを話す」「自分の考えを書くために必要な情報を読む」といった統合的な言語活動で育てた総合的な英語力を測ることを重視する。

 新たに追加される「情報」は、新学習指導要領が示す内容をもとに、高等学校で育成される資質・能力をバランスよく問う形となるよう試作問題を作成。「旧情報(仮)」を経過措置科目としている。

 「情報I」の試作問題をみてみると、大問1はインターネット利用時のリテラシーを問う問題の他、データの通信時のエラー検出方法、論理回路等が出題されている。プログラミングの問題としては、大問3で、460円の商品を買うのに510円を払って釣り銭を50円受け取る「上手な払い方」を計算するプログラムに関して、基本的に穴埋めではあるが、アルゴリズムを問われる問題となっている。そのため受験者には、変数や繰返処理、条件分岐、算術演算等の理解が求められる。


《川端珠紀》

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