慶應・花まる学習会ら、子どもの体験格差解消プロジェクト発足

 Ridilover(リディラバ)、アソビュー、こうゆう(花まる学習会)の各代表と慶應義塾大学総合政策部・中室牧子教授は2023年1月26日、「子どもの体験格差解消プロジェクト」の発足を発表した。2025年までに1,000人の子供たちへの体験機会提供を目指す。

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  • 子供たちへ体験機会を提供
  • プロジェクトメンバー:アソビュー代表執行役員CEO 山野智久氏
  • プロジェクトメンバー:リディラバ代表理事、Ridilover代表取締役 安部敏樹氏

 Ridilover(リディラバ)、アソビュー、こうゆう(花まる学習会)の各代表と慶應義塾大学総合政策部・中室牧子教授は2023年1月26日、「子どもの体験格差解消プロジェクト」の発足を発表した。2025年までに1,000人の子供たちへの体験機会提供を目指す。

 協調性や忍耐力等、数値やテストでは測れない能力=非認知能力の重要性が近年注目されている。文部科学省が実施した調査(令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告)によると、非認知能力は子供の頃の自然体験や地域活動等の体験の有無によっても変化することが明らかになっている。学力だけでは測ることができない「生きる力」と、それを育む「よい体験」を得ることは、変化の激しい現代を生きる子供たちにとって重要な課題となっている。

 一方で、日本の7人に1人にあたる相対的貧困家庭の子供や、2021年度には過去最多24万4,940人となった不登校の子供たち等、こうした体験を得ることが難しい環境にいる子供たちもいる。経済的困窮・社会的に孤立しやすい環境にある子供たちが直面する「体験格差」は、学習や食に関する困難に比べ認知が進んでおらず、支援体制が十分とは言い難い状況にあるという。

 「子どもの体験格差解消プロジェクト」は、こうした困難を抱える子供たちに多様な体験機会を保証し、誰もが「自分らしく生きられる」社会を目指して始動。さまざまな理由から「体験」機会に乏しい状況にある子供たちが、自然体験・文化体験・社会的体験等を通じて「自分らしく生きる力」を得られるよう、アソビュー、リディラバ、花まる学習会、慶應義塾大学の4者が連携、それぞれの強みを生かした取組みを展開する。

 おもな活動として、自然体験・社会体験・文化的体験を同時に享受できる「地方での宿泊体験=旅」を軸に、2025年3月末までの3年間で、困難を抱える子供たち1,000人への機会提供を目指す。直近の企画としては、3月に「大地の芸術祭」を舞台にした100人規模の宿泊型体験プログラムを予定している。

 また、体験格差に対する理解の促進・支援拡充を目指し、「子どもと体験」に関する実態調査・研究を実施。慶應義塾大学総合政策学部・中室牧子教授監修のもと、学習や食等さまざまな分野で子供を支援する団体と提携し、約150団体・1万世帯規模での調査を行い、よりよい体験機会のあり方に関する提言を目指すとともに、体験の提供に特化した予約サイト「アソビュー!」上で寄付を通じた運営資金の調達を行う。

 その他、困難を抱える子供たちが無償でさまざまな体験機会を得られるよう、企業協賛・協働の推進、各種助成金・補助金の活用等、持続可能な事業モデルづくりに挑むという。

《畑山望》

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