2023年2月22日(水)、2023年度(令和5年度)埼玉県公立高等学校入学者選抜が実施された。埼玉県教育委員会が2023年2月17日(金)に発表した埼玉県公立高等学校入学者選抜志願確定者数は、全日制の普通・専門・総合学科の合計で、入学許可予定者数3万6,002人に対し、志願確定者数は3万9,921人で、倍率は1.11倍だった。
リセマムでは、スクール21の協力を得て、学力検査「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。
<国語>講評
(スクール21 提供)
昨年に比べ、若干易化しました。
特に記述問題では、「解答のための材料」が見つけやすく、正答できた受検生が多かったと思われます。
大問1 文学的文章
文学的文章の問題では、主人公の心情が「マイナス」から始まり、文中で何らかのきっかけがあり「プラス」に転じるというものが、多く見られます。
その点では今回の文章は、主人公の心情が「マイナス」から始まり、「マイナス」で終わるところに、今までとの違いがありました。
また、冒頭の主人公の心情が「マイナス」であることは、導入の前書きをきちんと読まないとつかめないので、ここを疎かにしてしまった受検生は、文章を読み進めながらも、なかなか主人公の気持ちがつかめず、解答に苦労したことでしょう。
大問2 知識問題
問3の俳句の季語の問題は、平成27年度以来の出題でした。そしてその時も、同じ俳句の「天河」が出題されています。出題された俳句は全て、教科書に掲載されているものですから、教科書や過去問を使って準備してきた受検生にとっては、簡単だったでしょう。
問4のインタビューの問題は、最近よく出題される問題形式です。
目新しかったのは、(3)の質問文を書くと言う設問。これはインタビューの内容と、資料を確認しながら進めないと、解けない問題でした。新しい形式に戸惑ったり、慌ててしまい、時間をかけすぎてしまった受検生も、多かったかもしれません。
大問3 説明的文章
哲学をテーマにした問題でした。
全体として、内容を理解することは大変だったと思われますが、設問自体は文章ほど難しくはありませんでした。
ただし、文章の難しさに引っ張られ、選択肢の設問で解答を絞りきれなかった受検生が、多かったかもしれません。
大問4 古文
例年と比べ、文章が少し長かったです。
また、前半に教訓があり、後半に具体的なエピソードが続くという並びのせいか、読んでもなかなか具体例が出てこないので、どんな話かわからず、困った受検生もいたと思われます。
ただし、後半は文章も簡易で、設問も後半のみだったため、前半で焦らないことが大切でした。
大問5 条件作文
例年と変わらない形式でした。またテーマも身近だったため、書きやすかったと思います。
過去問などで練習を積んだ受検生にとっては、高得点が期待できる問題でした。
このレポートは令和5年2月22日(水)に速報としてスクール21により作成されたもの。
協力:スクール21