2023年度(令和5年度)東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が、令和5年2月21日(火)に実施された。東京都教育委員会が令和5年2月14日に発表した最終応募状況によると、全日制は3万825人の募集人員に対して4万2,236人が志願し、最終応募倍率は1.37倍。
リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「数学」(共通問題)の講評を速報する。この他の教科(全5教科)と進学指導重点校についても同様に掲載する。
<数学・共通問題>講評
(SAPIX中学部 提供)
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1.小問集合
〔問1〕から〔問6〕までは計算問題、〔問7〕は色のついた玉の確率、〔問8〕は円と角度、〔問9〕は作図の9問からなる小問集合でした。いずれも例年通りの難度でした。
2.文章題
例年通り「先生が示した問題をもとにして生徒が問題を作った」という設定でした。図形の周りの長さや面積を調べる問題で、〔問1〕は与えられた条件を正確に把握できれば難しくありません。〔問2〕の証明問題も東京都立校の受検生であれば、類題を演習したことがあると思われるので、丁寧に式変形を行い、記述したいところです。
3.一次関数
過去3年間は二次関数が出題されていましたが、2023年は一次関数のみの出題でした。〔問1〕は座標、〔問2〕は直線の式を求める基本問題です。〔問3〕は面積の条件をどのように利用するかで計算量に差が出た問題でした。方針が立たず、戸惑った受検生もいたことでしょう。
4.平面図形
等脚台形の辺上にある点を結んでできる図形に関する問題でした。〔問1〕の角度、〔問2〕1の証明問題は基本的な難度ですが、2の面積比は複数の相似を利用し、やや複雑な処理が必要なため、難度の高い問題でした。
5.空間図形
正四面体の辺上にある動点を結んでできる線分と立体に関する問題でした。〔問1〕の表面上の最短距離は、条件を満たす動点の位置を正確に把握する必要がありました。〔問2〕の体積は、類題を解いたことがあるかどうかで差がついたと思われます。
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このレポートは、2023年2月22日(水)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
協力:SAPIX中学部