育休中のリスキリング「必要だと思う」過半数

 wiwiwは、育児休業者向けのクラウドサービス「キャリアと育児の両立支援プログラム」の利用者を対象に、リスキリング(学び直し)に関するアンケートを実施。育休中に求められている支援や、職場復帰後の課題が浮き彫りとなった。

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育休中のリスキリング(学び直し)に関するアンケート:回答者属性
  • 育休中のリスキリング(学び直し)に関するアンケート:回答者属性
  • あなたはリスキリングが必要だと思いますか?
  • あなたはリスキリングが必要だと思いますか?(回答者属性別)
  • 産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?

 wiwiwは、育児休業者向けのクラウドサービス「キャリアと育児の両立支援プログラム」の利用者を対象に、リスキリング(学び直し)に関するアンケートを実施。育休中に求められている支援や、職場復帰後の課題が浮き彫りとなった。

 2023年1月27日の参院代表質問における、岸田首相の「育休中リスキリング(学び直し)」に関する答弁が注目を浴びている。そこでwiwiwは2月3日~6日、育児休業者向けのクラウドサービス「キャリアと育児の両立支援プログラム」の利用者を対象に、リスキリングに関するアンケートを実施。253名(男性7名、女性246名)より回答を得た。

 リスキリングの必要性の有無については、54.5%が「必要だと思う」と回答し、「必要だと思わない」の45.5%を上回る結果となった。回答者のうち、特に復職後の人では6割以上が「必要だと思う」と回答し、復職後の経験から学び直しの必要性を感じている声が多くみられた。また、「育休中は育児に専念したい・すべき」という声もある中で、リスキング必要性の有無にかかわらず「リスキリングのためには企業や国の支援が必要」という声が多く目立った。

 一方で、産前産後休業・育児休業中の学びの時間確保と頻度について、53.8%が、産休・育休中は「何か学びのための時間を使っていない」と回答し、休業中の家事・育児の多忙さが改めてうかがえた。学びのための時間を「使っている」と回答した理由(フリーコメント)からは、一人目の復帰時に苦労したこと、何か自分でこれは努力したという結果を残したい等、復帰後を見据えたキャリアアップへの意欲が多くみられ、「使っていない」との回答者からは、実際はワンオペで育児と最低限の生活をするので精一杯、貴重な時間を子供との時間を大切にしたい等、さまざまな思いや状況が読み取れた。

 学びの頻度、時間、内容、学習方法について、「学びのために時間を使っている」と回答した人のうち約6割が「月5時間程度まで」とし、4割近くは休業開始後0~1か月のうちに学びを開始したと回答した。学びの内容として多かったのは「ITスキル」「語学」「キャリア」「育児両立」等。学びの形態としてもっとも多かったのは「書籍」で67.5%、ついで「eラーニング」45.3%であり、3番目に多かった「セミナー」12.8%よりも、「書籍」や「eラーニング」の多さが際立つ結果となった。

 今回の首相の発言は、特に産休や育休期間中はキャリアから離れるため、スムーズに戻れるよう「主体的なリスキリングを後押しする」という趣旨であったが、アンケート結果からは、育休中は家事育児の多忙さや睡眠不足から学び直しは難しいという声や、子供との時間や母体・自身のケアを優先したいという回答がおよそ半数を占め、改めて家事育児の負担が女性に偏っていることの課題が浮き彫りとなった。一方で、復職後の両立やキャリアへの不安や、世の中の急速な変化や働き方の多様化から、リスキリングの必要性を感じているようすも多くうかがえた。環境や考え方はそれぞれだが、誰もが学び直しをしたいときにできるような制度、支援、環境づくりが求められるのではないだろうか。

《木村 薫》

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