桜散り、新しい生活に慣れる間もなく迎えるゴールデンウィーク。長い休み明けは、もとの生活リズムやマインドに戻りにくく、子供によっては、幼稚園・保育園や小学校への行き渋りが見られたり、体調を崩したりするなど、「五月病」では? と案じる保護者もいるのではないだろうか。
さまざまな悩みを抱えていても、自分の気持ちをうまく表現できず、言語化して誰かに相談をすることが難しい子供たちに、保護者はどのように寄り添えば良いだろうか。発達心理学のプロフェッショナル、法政大学文学部心理学科 渡辺弥生教授監修の「大ピンチ!解決クラブ3 心の育て方」(KADOKAWA)は、小学生の日常生活で巻き起こる大ピンチを解決するためのヒントを、マンガで学ぶことができる1冊。本記事では、同書で取り上げているさまざまな子供たちの悩み事の中から、大人も難しい「ウソ」との向き合い方をクイズ形式で解説する。(本記事は、「大ピンチ!解決クラブ3 心の育て方」(KADOKAWA)の一部を抜粋・改編し掲載している。解説イラスト:ナーブエイト、ハセガワマサヨ)
お悩み:「友だちにウソをついてしまった」
ヒナさんが、自分で作ったペット動画をスマホで送ってくれました。「あとで見るね!」と返事したものの、キミはその動画がをあまりおもしろいと思えず、途中で見るのをやめてしまいました。
翌日ヒナさんがニコニコして、「あの動画どうだった?」と話しかけてきました。キミは思わず「おもしろかった」とウソをついてしまいました。でも、細かく感想を聞かれて、話すのが気まずく感じてしまいました。さて、キミならどうする?
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キミならこの状況で、どんなことを思う? どんな行動をするかな? AかB、それともそれ以外?
A.うまく話を合わせる
少し居心地は悪いけど、大した話ではないから、なんとなく話を合わせて、早めに話を終わらせる。
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B.謝って正直に言う
「実は、最後まではしっかり見てはいない」などと、理由を添えて正直に伝えてみる。
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解説:ウソが必要なときもあるけれど…
A.うまく話を合わせるを選えらんだキミへ
キミは「相手を傷つけないウソなら仕方がないし、問題ない!」と割り切ることができているのかも。それも1つの考え方だよ。もし、これからもヒナさんが同じような動画を送ってきて、その度に合わせるのは面倒だと感じるなら、早めに自分の好みを伝えて誤解を解いておくのがオススメ。
B.謝って正直に言うを選んだキミへ
ウソを謝り、自分の本当の状況を伝える勇気を出して誤解を解こうとしたんだね。とっさにウソをついたことも、すぐに謝ってしまえば、ヒナさんも傷つかずに、キミの言葉を受け入れてくれるかもしれないね。
時には必要なウソもある
人をだますためのウソはよくない。でも、人を傷つけないために、優しさからウソをつくのは、時には必要なこともあるかも。
人とつながって安心感を得るためのウソもある。時と場合によって必要なことだと考えておくと、少し気持ちがラクになるかな。
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ただし、自分の心への影響にも注意
一方で「ウソをついた」という罪の意識で、自分の心が苦しくなってしまうかも。
自分の心へのマイナスの影響が大きいのが、ウソなんだ。
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ずっとウソをつき続けるのは大変
一度小さなウソをつくと、それに関係して、色々なウソをつき続けることになるかもしれない。
必要のないウソはつかないほうが、気持ちよく過ごせるのは間違いないね。
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コミュニケーションには正解がない。大人も子供も発達心理学の視点を役立て、お互いの気持ちを語りあいながら解決の糸口を探ってみてはいかがだろうか。