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不登校実態調査、34万人超の現状明らかに

 文部科学省は、毎年「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」を実施し、不登校の人数や原因を公表している。2025年度の同調査によると、小中学生の不登校児童生徒数は過去最多の34万6,482人、高校生は6万8,770人であり、小中高の合計では41万5,252人にのぼる。この調査結果を受けて、不登校の実態をより深く理解するための新たなアンケートが開始される。

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「不登校の実態アンケート」を実施
  • 「不登校の実態アンケート」を実施

 文部科学省は、毎年「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」を実施し、不登校の人数や原因を公表している。2025年度の同調査によると、小中学生の不登校児童生徒数は過去最多の34万6,482人、高校生は6万8,770人であり、小中高の合計では41万5,252人にのぼる。この調査結果を受けて、不登校の実態をより深く理解するための新たなアンケートが開始される。

 文部科学省の調査は、学校や教育委員会からの報告に基づいているため、実際の状況や児童生徒・保護者の認識とは異なる可能性がある。たとえば、2025年度の調査では、学校側が「不登校児童生徒について把握した事実」として「いじめの被害の情報や相談があった」と報告されたのは、小中学生の合計で全体の1.8%(4,463人)にすぎない。しかし、学校側が把握していない「いじめによる不登校」や「不登校といじめの関係」も存在する可能性がある。

 また、不登校児童生徒から「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談があった」という報告もあり、小中学生の合計で全体の32.2%(11万1,631人)に達している。しかし、「なぜやる気が出ないのか」といった背景については、調査では触れられていない。

 こうした背景を踏まえ、Webメディア「不登校オンライン」では、2025年1月から、不登校の本人・保護者を対象とした「不登校の実態調査のアンケート」を実施する。このアンケートは、「学校側が把握していること」ではなく、「不登校の本人・保護者からの声(=不登校の実態)」を発信することを目的としている。これにより、不登校を取り巻く状況をいっそう明らかにし、よりよい社会を築くきっかけとすることを目指している。

 アンケートは、Googleフォームを通じて回答が可能であり、特に締め切りは設けられていない。回答はいつでも受け付けており、一定の回答数が集まり次第、「不登校オンライン」で記事として公開され、その後も随時アップデートや追記が行われる予定である。回答の途中でつらい気持ちになった場合には、すぐに中止しても問題ない。

 このアンケートは、文部科学省の「不登校」の定義にとらわれず、「学校に行きたくない時期・行きづらい時期・行っていなかった時期」を広く不登校と定義している。これにより、より多くの声を集め、不登校の実態を多角的に捉えることが期待されている。

 「不登校オンライン」を運営するキズキは、「何度でもやり直せる社会をつくる」というビジョンのもと、事業を通じた社会的包摂をミッションに掲げている。同社は、不登校の保護者向けのWebメディアやオンラインコミュニティ、学習支援事業、家庭教師事業、公民連携事業、就労支援事業など、多岐にわたる活動を展開している。

 不登校の実態をより深く理解するためには、学校側の視点だけでなく、本人や保護者の声を聞くことが重要である。今回のアンケートを通じて、不登校に関する多様な視点が集まり、より包括的な理解が進むことが期待される。

《神林七巳》

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