京都府教育委員会と京都市教育委員会は2025年6月5日、京都府立嵯峨野高校と京都市立堀川高校の普通科を募集停止し、専門学科単独校として学科改編を図ることを発表した。現在の中学2年生が受験する2027年度(令和9年度)入学者選抜から、嵯峨野高校は京都こすもす科、堀川高校は探究学科群に一本化する。
公立高校入試制度改革にともなう学科改編。両校とも現在の中学2年生が対象となる2027年度入学者選抜から、専門学科単独校となる。
嵯峨野高校は、普通科120人の募集を停止し、京都こすもす科の募集定員を現行の200人から320人に増員する。これまで「国際社会のさまざまな分野でリーダーとして貢献できる人材を育成する」というスクール・ミッションのもと、学科の区別なく「ラボ活動」をはじめとした先進的な探究活動や国際交流などに取り組んできたことから、学科改編により全校一体で教育活動の充実化を図るとしている。
京都こすもす科の募集定員は、自然科学系統80人、人間科学・自然科学(共修)系統240人。現行の京都こすもす科と普通科の通学区域を踏まえ、200人程度を全通学圏、120程度を京都市・乙訓地域に限定した通学区域とする。
一方、堀川高校は普通科80人の募集を発展的に解消し、探究学科群に統合。探究学科群の募集定員は、現行の160人から240人に増員する。生徒募集枠は、現行の探究学科群と普通科の通学区域を踏まえ、160人程度を府下全域、80人程度を京都市・乙訓地域限定とする。詳細な募集人数は現在検討が進められており、探究活動などへの意欲を重視した生徒募集枠の新設に係る検討内容も踏まえ、今後決定予定としている。
京都府内の公立高校では、2027年度入学者選抜から、これまで前期選抜、中期選抜、後期選抜に分けていた選抜のうち、前期選抜と中期選抜を一本化することが決まっている。新しい前期選抜(仮称)には、現行の前期選抜に相当する「独自枠(仮称)」と、現行の中期選抜に相当する「共通枠(仮称)」を設けるが、嵯峨野高校と堀川高校では現行と同様に前期選抜「独自枠」で100%募集する。
なお、詳細については8月末に公表予定の「令和9年度(2027年度)京都府立公立高等学校入学者選抜実施要項」で確定する。6月中旬には、新しい入学者選抜制度における「独自枠(仮称)」について、全公立高校の検査項目一覧が公表される予定。