advertisement

勉強・宿題にAI利用55%、保護者の不安1位「思考力の低下」

 オンラインイラスト教室「アタムアカデミー」を運営するアタムは2026年4月22日、「AIを使った勉強・宿題に関する意識調査」の結果を公表した。子供の勉強・宿題へのAI利用を「あり」とする保護者は55.0%にのぼる一方、不安の1位は「考える力の低下」で、利用ルールの設定を求める声が多く集まった。

教育ICT 小学生
子供が勉強・宿題にAIを利用するのはありかなしか
  • 子供が勉強・宿題にAIを利用するのはありかなしか
  • 親が把握している勉強・宿題での子供のAI利用状況
  • 勉強・宿題での子供のAIの使い道
  • 勉強・宿題での子供のAI利用に親が抱く不安
  • 勉強・宿題でAIを使うために必要なルール

 オンラインイラスト教室「アタムアカデミー」を運営するアタムは2026年4月22日、小中学生の子供をもつ保護者を対象とした「AIを使った勉強・宿題に関する意識調査」の結果を公表した。子供の勉強・宿題へのAI利用を「あり」とする保護者は55.0%にのぼる一方、不安の1位は「考える力の低下」で、利用ルールの設定を求める声が多く集まった。

 「AIを使った勉強・宿題に関する意識調査」は2026年3月16日~17日、小中学生の子供をもつ保護者500人(女性398人・男性102人)を対象にインターネットによる任意回答で実施した。回答者の年代は20代8.2%、30代40.2%、40代45.6%、50代以上6.0%。

 「子供が勉強・宿題にAIを利用するのはありかなしか」という質問に対し、「あり(15.6%)」「どちらかと言えばあり(39.4%)」をあわせると55.0%が肯定的な回答をした。「今後はAIなしでは成り立たない世の中だと思うから」という声もあり、時代の流れとともにAIを使った学習が許容される傾向がうかがえる。一方で「なし」と答えた保護者も45.0%おり、意見は拮抗している状態だった。

 「子供は勉強・宿題でAIを利用しているか」という質問では、「頻繁に(3.8%)」「たまに(31.4%)」をあわせた35.2%が「利用している」と回答。小中学生の約3人に1人が勉強や宿題にAIを活用しているという結果になった。

 一方で「まったく利用していない」が38.8%ともっとも多く、利用の広がりには差があることもうかがえる。子供がAIを適切に使える年齢かどうか、リテラシーが身に付いているかどうかによって、利用状況も変わってくると考えられる。また「わからない」が2.2%おり、保護者が子供の学習実態を完全には把握しきれていないケースも見受けられるという。

 勉強・宿題での子供のAIの使い道の1位は「解答方法の提示(10.6%)」、僅差の2位は「情報検索のツール(10.2%)」だった。3位「問題の回答出力(9.0%)」、4位「アイデア出しのサポート(8.8%)」、5位「文章作成の補助(7.0%)」が続く。

 保護者からは「理解できていない部分について、AIに『誰でもわかるように教えて』『1から丁寧に教えて』などと聞いて、理解を深めるために使っていた(20代・男性)」「学校の宿題でわからない問題があったときに、考え方や解き方を調べるために使うことがある。また自由研究や作文のテーマを考える際にアイデアを出すための参考として、AIを利用することもある。答えをそのまま写すというより、ヒントを得るための使い方が多いようだ(20代・男性)」「算数の文章問題を写真に撮って、AIに答えを聞いている(30代・女性)」といった声が寄せられた。

 「解答方法の提示」「情報検索のツール」「解説」など、勉強や宿題を進めるための補助として使っている子供が多く、「学校では時間がなくて聞けなかったことも、AIであれば気兼ねなく何度でも聞ける」というコメントもあり、辞書代わりに使う例もみられた。一方で辞書や参考書にはないAIならではの使い方として、「アイデア出しのサポート」「文章作成の補助」などもあげられている。

 勉強・宿題にAIを利用することへの不安を聞いたところ、圧倒的1位は「考える力の低下(42.8%)」で、全体の4割を超えた。2位「情報の取捨選択の難しさ(17.4%)」、3位「学習意欲の低下(16.8%)」、4位「学力の低下(10.6%)」が続く。考える力や学力、調べる力など、子供の能力が低下してしまうことを心配する声が多かったという。

 保護者が考える「勉強・宿題で子供がAIを使うために必要なルール」の1位は「最初から使うのは禁止(33.6%)」だった。2位「大人による確認(23.2%)」、3位「サポートツールとしての利用(15.0%)」が続く。

 「最初からAIを使うのは禁止し、まずは自分で考えてみる」という習慣が必要だと考えられており、自力で考える段階を設けることで思考力や粘り強さを育てる意図がうかがえる。また「AIを使う際は、必ず親がいるところで、親と確認しながら作業を進めること(30代・女性)」など、大人が関与することを求める声もあった。

 「サポートツールとしての利用」については「あくまで補助として利用してほしい(40代・女性)」「検索やヒントのためだけに利用すること(50代以上・男性)」といったコメントが寄せられた。そのほか「AIの回答が本当に正しいか、自分でもう一度考えたり計算したりしてみる(30代・男性)」など出力内容の精査を求める声や、「最後に自力で解き直す(30代・女性)」など本人による仕上げを重視する意見もみられた。

 調査結果に対し、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)主幹研究員・准教授の豊福晋平氏は「生成AIの利用について、『考える力が低下する』という懸念が生じるのは、自然なことです。実際に、すぐにそれっぽい答えにたどり着けてしまう環境では、試行錯誤の機会を減らしてしまう面もあります。しかし一方で、AIの広がりによって、学びは単純な作業から『考えること』や『判断すること』へと重心が移りつつあります。大切なのは、使うかどうかを一律に決めることではなく、『どの場面で使うか』『何を達成することが重要なのか』を子供自身が考えられるようになることです。AIは手抜きの道具ではなく、学びを支える道具にもなり得ます。こうした使い方を一緒に考えていくことが、これからの学びに求められるでしょう」と述べている。

《吹野准》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top