警察庁、フィルタリング全国調査…高校生の利用には地域差

 警察庁は8月26日、「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査結果について」と題した資料をホームページに公開した。

教育ICT 行政
フィルタリングの利用(学校種別)
  • フィルタリングの利用(学校種別)
  • フィルタリングをしていない理由
  • フィルタリングを解除した理由
  • 携帯電話を購入する際、子どもが使用する旨を販売業者に伝えたか
  • 販売業者からフィルタリングに関する説明を受けたか
  • フィルタリングの認知度
  • 都道府県別フィルタリングの利用(小学生)
  • 都道府県別フィルタリングの利用(中学生)
 警察庁は8月26日、「児童が使用する携帯電話に係る利用環境実態調査結果について」と題した資料をホームページに公開した。

 同調査は、児童が使用する携帯電話のフィルタリングの利用状況や、その必要性・重要性についての保護者の認識・理解の状況を確認し、フィルタリングの普及促進のための効果的な方策を検討することを目的に実施。全国の小学生(4年生〜6年生)、中学生、高校生の保護者66,308人を対象に、今年2〜4月かけ、各学校の協力のもと保護者調査票を配布・回収する方法で行った。

 学校の種類別にみたフィルタリングの利用状況では、小学生では、「フィルタリングを使っている」が55.1%、インターネットを使えない機種・設定になっている」が20.8%と、合計で約76%がネット接続に関する制限を設けていることがわかった。

 中学生では、「フィルタリングを使っている」が57.6%、「インターネットを使えない機種・設定になっている」が9.9%の合わせて約67%、高校生では、「フィルタリングを使っている」が49.9%、「インターネットを使えない機種・設定になっている」が2.0%の合わせて約52%が、ネット接続制限を設けている。

 フィルタリングを利用していないと答えたのは、全体で30.1%(小学生18.3%、中学生26.1%、高校生36.7%)となり、その理由として「子どもを信頼している」という回答が47.4%と、約半数に上った。その他の理由としては、「特に必要を感じない」(23.4%)、「子どもからつけないでと頼まれた」(9.7%)、「フィルタリングサービス自体を知らなかった」(9.0%)、「子どもにとって不便と感じた」(8.7%)、「購入時に説明を受けなかった」(8.4%)などが挙げられている。

 また、フィルタリングの利用について、「使っていたが解除した」という回答が全体で4.5%あり、その内訳は、小学生0.9%、中学生2.4%、高校生7.2%と年齢が上がるにつれ増えている。フィルタリングを解除した理由としては、「子どもから解除してと頼まれた」が57.3%ともっとも多く、次いで「子どもを信用している」が43.2%、「子どもにとって不便を感じた」が27.3%となっている。

 「携帯電話を購入する際、子どもが使用する旨を販売業者に伝えたか」という設問では、小・中・高生のいずれも9割近くが「申し出た」と回答している。一方、「販売業者からフィルタリングに関する説明を受けた」のは、小・中・高生のいずれも6割台に留まり、全体で68.6%となっている。

 フィルタリングの認知度については、全体では「知っていた」(54.5%)、「なんとなく知っていた」(28.3%)と、8割以上が知っていると回答したのに対し、「全く知らない」という回答も12.7%あり、特に小学生の保護者では「全く知らない」が17.0%となっている。

 なお調査では、都道府県ごとのフィルタリングの利用率についてもまとめている(宮城県を除く)。小中学生については都道府県間で明確な差は認められなかったものの、高校生では、もっとも利用率の高い「石川県」が76.4%だったのに対し、「和歌山県」では30.9%に留まるなど、明確な差がみられたとしている。

 またフィルタリングの認知度についても都道府県ごとにまとめており、「知っていた」「なんとなく知っていた」の合計が9割を上回る群馬県、東京都(警視庁)がある一方、佐賀県、大分県、沖縄県では7割台の前半に留まっている。
《田崎 恭子》

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