熊本県、学校裏サイトの調査結果…総数は減少するも中学では増加

 熊本県教育委員会では、県内の中学・高校などの学校裏サイトの昨年度1年間の状況を調べた「学校非公式サイトに係る調査」を公開している。

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 熊本県教育委員会では、県内の中学・高校などの学校裏サイトの昨年度1年間の状況を調べた「学校非公式サイトに係る調査」を公開している。

 同調査は、熊本県内すべての公立の中学校、高等学校、特別支援学校、合わせて259校を対象に、平成23年4月1日から平成24年3月16日にかけて調査したもの。ネット監視調査を行う東京の専門業者に委託し、キーワード検索により学校の裏サイトを見つけ出し、書き込まれている不適切な内容を危険度や指導の緊急性から「高」「中」「低」の3段階に分け必要に応じて削除等の手続きを行った。

 不適切な書き込みがあったのは、調査対象の259校の79.2%となる205校だった。そのうち、中学校は177校中の142校(全体の80.2%)、高等学校は65校中の61校(同93.8%)、特別支援学校が17校中の2校(同11.8%)となっている。

 不適切な書き込みの総数は年間で6,162件となり、平成22年度よりも2,364件減少した。1ヵ月あたりの平均数は514件で、前年度の711件から27.7%減少している。

 校種別にみると、平成23年度は中学校が30.1%(1,856件)、高等学校が69.8%(4,304件)、特別支援学校が0.1%(2件)。中学校は前年度の1,367件から35.8%増加し、高等学校では前年度の7,159から39.9%減少している。

 犯罪予告や児童生徒の生命に関わる「レベル高」の書き込みは前年度と同様に検出されず、緊急性はないもののの早期の指導・対応が必要な「レベル中」については16件と前年の56件から大幅に減少。「レベル低」についても6,146件と前年度より2,324件減少している。

 書き込みの内容についてもっとも多かったのが「個人情報の流布」で94.9%を占めた。他には、「いじめ・中傷」が0.3%、「不法行為」が0.1%、「トラブル」が0.1%、学校の悪評などの「その他」が4.6%となっている。

 なお、中レベルの書き込みは中学校で4件、高校で12件あり、内容は、喫煙や万引き、賭け事、バイクの二人乗りなどの「不法行為」が7件、他生徒を中傷するなどの「いじめ・中傷」が4件、自傷行為をほのめかす「トラブル」が5件だった。これら中レベルの書き込みは、学校や教育委員に緊急報告された後、16件すべてについて書き込んだ本人が特定され、自ら削除するよう指導されたほか、全体の生徒指導も行われたという。
《田崎 恭子》

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