栄光HD、進学会との資本業務提携を解消…遵法意識や企業経営の根幹に相違点

 栄光ホールディングスの完全子会社である栄光は6月6日、進学塾の北海道大手進学会との資本業務提携を解消したと発表。栄光は、信頼感にもとづいた良好な関係を構築することはできないとし、社外取締役に着任していた進学会の平井崇浩社長も解任した。

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 栄光ホールディングスの完全子会社である栄光は6月6日、進学塾の北海道大手進学会との資本業務提携を解消したと発表。栄光は、信頼感に基づいた良好な関係を構築することはできないとし、社外取締役に着任していた進学会の平井崇浩社長も解任した。

 栄光と進学会は、2011年3月18日に長期的なパートナーシップに基づいた協働関係を築くとして資本業務提携を発表。進学会が栄光の1,178,000株を取得し、人事交流などを通じた友好関係に努めてきたという。また、6月4日には、進学会が増進会(Z会)の所有株式数を上回り、栄光の筆頭株主になったと発表されたばかりだった。

 今回の提携解消は、進学会が選任した取締役2名を栄光側が反対決議したことで決定したが、2012年4月3日に発覚した進学会の著作権侵害問題も大きな理由の1つだろう。同問題では、進学会が国語や英語の教科書をほぼ丸写ししたテキストを無断作成していたことが判明し、許諾を得ないまま無断利用した疑いがもたれている。

 提携解消の理由について栄光は、進学会の著作権侵害問題の発覚、利益供与の要求とも受け取れる言動、強圧的な言動や要求のエスカレートなどと説明。企業理念や経営方針にも相違があったとし、事業継続における混乱を最小限にとどめるための提携解消だという。

 その一方で、増進会とは共通のビジョンをもっているとし、増進会出身の2名を栄光の取締役として選任・提案するという。ただ、増進会は進学会とも業務提携を結んでいる間柄。3社の今後の関係、また進学会が所有する株式の行方など、業界の注目が集まる。
《湯浅大資》

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