学力が高い学校のほうがICT利活用に積極的…全国学力テスト結果より

 文部科学省は8月8日、2012年度全国学力テストの調査結果を発表した。学校でのインターネットの利活用に着目してみると、平均正答率が高い学校のほうが、児童や生徒がコンピュータを使う学習活動を行ったと回答している割合が小中学校ともに高い傾向にあることがわかった。

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コンピュータを活用した授業について(小学校)
  • コンピュータを活用した授業について(小学校)
  • コンピュータを活用した授業について(中学校)
  • 理科の授業でのコンピュータ利活用(小学校)
  • 理科の授業でのコンピュータ利活用(中学校)
  • 平均正答率が5ポイント以上全国平均を上回る学校(A群)と5ポイント以上全国平均を下回る学校(B群)のICT利活用比較(小学校)
  • 平均正答率が5ポイント以上全国平均を上回る学校(A群)と5ポイント以上全国平均を下回る学校(B群)のICT利活用比較(中学校)
 文部科学省は8月8日、2012年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査結果を発表した。学校でのインターネットの利活用に着目してみると、平均正答率が高い学校のほうが、理科の授業で発表や自分の考えを整理する際に、児童や生徒がコンピュータを使う学習活動を行ったと回答している割合が小中学校ともに高い傾向にあることがわかった。

 全国学力テストは、日本全国の小中学生の学力や学習状況を調査・分析し、教育指導の充実や学習状況の改善に役立てる目的で、2007年より小学6年生と中学3年生を対象として毎年4月に実施されている。2012年度は、「教科に関する調査」と「生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査」の大きく2つの調査が実施された。教科については、「国語」、「算数(数学)」の2教科に「理科」が加わり、主に「知識」や「活用」に関する問題が出題された。

 コンピュータを活用した授業について、インターネットを活用した授業を行った学校の割合は、小学校では理科(約80%)がもっとも多く、次いで国語(約47%)、算数(約35%)の順だった。中学校では理科(約51%)、数学(約23%)、国語(約18%)の順だった。

 理科の授業で、発表や自分の考えを整理する際に、児童生徒がコンピュータを使う学習活動を行った学校の割合は、小学校では約58%、中学校では約37%。教員がコンピュータを使って資料などを拡大表示したり、デジタル教材を活用したりするなどの工夫を行った授業をした学校の割合は、小学校では約90%、中学校では約84%だった。

 インターネットを活用した授業を行った学校の割合は、2008年度より毎年増加傾向にある。

 さらに、平均正答率が5ポイント以上全国平均よりも上回る学校のほうが、5ポイント以上全国平均を下回る学校より、インターネットを活用した授業を行ったと回答している割合、発表や自分の考えを整理する際に、児童生徒がコンピュータを使う学習活動を行ったと回答している割合が小中学校ともに高い傾向が見られた。

 今後、学校では子どもたちにICTを活用していかに自分の考えをまとめ表現させるかが課題となるだろう。
《工藤めぐみ》

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