【e絵本】好き嫌いを知ることはキャリア教育でもある

 自分の嫌いなこと・好きなことがその時々ではっきりわかれば、ゆくゆくの進むべき道を取り違えることも少ないのではと思います。他人に対してわがままになる、という意味では決してありません。

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くろねころびんちゃんぷんすか
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 「好き嫌いしちゃいけません」。誰もが幼いころ、食事のときに言われたことと思います。お子さんに日々言っているママやパパも多いでしょうね。

 さて、食べ物の栄養に関してはそうだけど、その他についてはどうでしょうか? 実は筆者は個人的に、”好き嫌い推奨派”です。

 自分の嫌いなこと・好きなことがその時々ではっきりわかれば、ゆくゆくの進むべき道を取り違えることも少ないのではと思います。他人に対してわがままになる、という意味では決してありません。外への礼節は保ちつつ、内面を見つめて探る作業…。

 今回ご紹介する「くろねころびんちゃんぷんすか」も、”好き”と”嫌い”のはっきりした物語です。iPhone/iPad対応、ブルーアートより2012年12月から無料配信中。

 主人公はくろねこのろびんちゃん。窓の外は雨模様だし、ごはんは自分の食べたいものじゃないし……と、ちょっぴり気に入らないことが今日はたくさんある様子。「ぷんすか」した気持ちがどんどん積もっていきます。

 膨らんだ思いは、何をもって方向を変えるのでしょうか。自分の気持ちに正直になれそうな、のんびりしたお話です。

 一緒に読んだあとはぜひ、子どもたちと好き・嫌いについて話してみて。

 たとえば10歳前後の女の子なら、「今の私は絵を描くのが好き」「でも、動物の世話をするのも好きだな」「あの子は洋服が好きと言っていたけど、私は特に興味がないな」などなど、様々なキーワードが出てくるでしょう。何気ない会話から将来の姿を想像して遊べば、それも立派なキャリア教育ではないでしょうか。

 基準となる価値観がない時代だからこそ、方向は自分で決めとる姿勢を、小さなころから身につけさせたいものです。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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