中学校理科教育実態調査、理科教員の66%「準備や片付けの時間が不足」

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学校あたりの設備備品費と消耗品費
  • 学校あたりの設備備品費と消耗品費
  • 各領域に対する指導の得意・苦手
  • 教師による演示実験と生徒による観察や実験の頻度
  • 理科の観察や実験を行うにあたって障害となっていること
  • 「観察や実験の障害」の項目別「生徒による観察実験の頻度」の回答割合
  • 「実験室の不足」と学校規模別回答割合
  • 「理科の勉強は楽しい」と「理科の勉強でおもしろいことをたくさん勉強している」の学校平均値の相関
  • 「理科の勉強は好きだ」と「生徒は自分たちが予想したことを実験で確かめるよう求められる」の学校平均値の相関
 実験や観察を行う上で「準備や片付けの時間不足」を感じる理科教員が66%に上ることが9月5日、中学校理科教育実態調査から明らかになった。「理科でおもしろいことをたくさん勉強している」という生徒の多くが「理科の勉強は楽しい」と考えていることもわかった。

 調査は、理数学習支援センターが全国の公立中学校と中等教育学校417校において3月に実施。理科主任と理科教員1,229名、2年生の生徒13,420名に中学校の理科教育について無記名の郵送方式でアンケートを行い、速報結果を公表した。

 教員に対する学校調査項目では、設備備品費が1校あたり平均19.3万円(生徒1人あたり430円)で、2008年の調査時より3.6万円増加した。0円と回答した学校も23%あった。消耗品費は1校あたり平均14.3万円(生徒1人あたり319円)で、2008年時から2.6万円増加した。

 各領域の指導が「得意」か「やや得意」と感じている理科教員の割合は、「化学」が86%ともっとも高く、「生物」72%、「物理」68%、「地学」57%、「情報通信技術の活用(ICT)」50%という結果だった。「情報通信技術の活用」の指導を「苦手」「やや苦手」と感じている理科教員の割合は、教職経験年数が長いほど高い傾向にあった。

 「教師による演示実験」を「週1回以上」行っている理科教員は38%、「生徒による観察や実験」を「週1回以上」としたのは55%。「理科の観察や実験を行うにあたって障害となっていること」では、「準備や片付けの時間が不足」と回答した割合が66%と高く、「設備備品の不足」が54%、「実験室の不足」が34%あった。

 分析によると、「生徒による観察実験の頻度」が高い理科教員は、「準備や片付けの時間」「設備備品」「消耗品」「実験室」の不足を障害とする割合が高く、「生徒による観察や実験」の頻度が低い理科教員は「準備や片付けの時間の不足」「授業時間の不足」「生徒の授業態度の問題」を障害とする割合が高い傾向にあった。また、「実験室の不足」を障害と回答した学校は、学校規模が大きいほど多かったという。

 理科の理解が進んでいる生徒に対して、「発展的な課題を与えたり、授業の合間や放課後などに指導したりしている」という理科教員は30%。これらの生徒に見られる特徴には、「授業で話した内容をよく覚えている」(71%)、「物事を他のことに置き換えて説明することに長けている」(66%)、「気になることがあると詳しく知りたがる」(63%)、「興味あることは人一倍熱心に取り組む」(53%)などが挙げられた。

 「理科の理解が進んでいる生徒をさらに伸ばすためには外部の専門家との連携が必要だと思う」とする理科教員は83%。その障害として選択されたのは「時間的にゆとりがない」(80%)、「費用の確保」(56%)、「どのような活動が可能なのかわからない」(50%)などだった。

 生徒に対する調査結果では、「理科の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考える」という生徒は41%、「科学に関する研究機関の施設を見学したり、研究の体験をしてみたい」という生徒は56%、「将来、理科や科学技術に関係する職業につきたい」という生徒は20%だった。

 学校の学習環境については、「理科でおもしろいことをたくさん勉強している」とする生徒は54%。この項目と「理科の勉強は楽しい」という回答は、高い相関関係にあった。また、「生徒は自分たちが予想したことを実験で確かめるよう求められる」と回答した生徒の割合は51%、「先生は科学の考えが実生活に密接に関わっていることを解説してくれる」とした生徒は53%。これらの項目と「理科の勉強は好きだ」という回答にも相関がみられたという。
《奥山直美》

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