キーワードは「主体的な学び」~大学入試改革の目指すところ

 11月29日に中央教育審議会(中審会)、高大接続特別部会が開催されました。約2時間に渡る議論の議題は、大学入学者選抜と高校・大学連携強化の2点。部会での議論の内容と委員が目指す教育の目標を3つのポイントに分けて紹介します。

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  • 教育再生実行会議の様子
 11月29日(金)、中央教育審議会(中教審)、高大接続特別部会(第九回)に伺いました。11月8日に行われた第八回に続いての傍聴です。

 昨今の「大学入試改革」関連の報道では、「人物本位」や「面接重視」などの“わかりやすい言葉”が過剰に流れており、受け手の受け止め方の温度感を狂わせると感じています。実はこれ、高大接続特別部会の委員の皆さんも同じ心配をしており、今回の部会でも「報道が過熱」「伝わっている言葉が一方的で心配」などの声が聞かれました。

 「真実を知りたい」「委員の伝えたいことを直接聞きたい」「温度感をわきまえたい」、そしてできれば、「できる限り議論の温度感を正確に、多くの方にお届けしたい」、そんな気持ちが僕を傍聴へと駆り立てています。

 さて、今回行われた部会。配布資料(関連リンク参照)にもあるとおり、今回の2時間にわたる議論の議題は、

A.多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜への転換
B.大学の人材育成機能強化・高等学校教育と大学教育の連携強化

の2点でした。

 一方、実際の議論では、Aに1時間15分程度の時間が割かれ、Bについては、文科省側からの説明のあと、意見がひとつふたつ出たのみで部会終了という雰囲気になった(結局その後、発言者が現れて、その発言を起点に議論が進められました)ところからも、より「多面的・総合的に評価・判定する大学入学者選抜」に対して、制度論を十分に議論しなければいけない、という意気込みが伝わってきます。

 そして、議論の内容に入る前に、見ておきたいのは、配布資料の資料1-1。教育再生実行会議第四次答申(関連リンク参照)を受け、今回の論点として文科省側がまとめた7つの項目が掲載されています。第四次答申の内容は実質、この資料に集約されたと言っても言い過ぎではない気がします。

 以上、前置きをしたうえで、今回の会議の報告です。傍聴メモを元に、なるべく正確に伝えようとは思いますが、どうしても僕の解釈が入ってしまう部分があることを、あらかじめ承知おきください。

1.「学力は大切」という認識は一切崩していない

 配布された資料に目を通し、文科省からの説明を聞いたあと、濱名篤委員が切り出しました。

 「全部読み合わせてみると、大きくは違わない」
 「報道は感情的で違う」

 「大きくは違わない」というのは、教育再生実行会議第四次答申、高大接続特別部会の資料、そして委員全体が受け止めているこれからの向かう方向が「大きく違わない」ということと捉えました。

 加えて、報道のされ方が、面接などの手法に傾斜されていることを気にされていました。「丁寧な選抜、という表現(資料1-1の項目2)の中には、論文なども含められているはずですよね?」と。

 これに対し、平野大学入試室長や、田中高等教育政策室長はこう答えました。

 「丁寧な選抜、という中での例示に過ぎず、同じ性質のものを2度やるのは止めてほしい、というメッセージである。」

 「同時に、“学力水準の達成度の判定を行う”と(提言には)含められており、学力は大事だということもメッセージしている。」

 「暗記型学力に偏らない、ということでよいか」(濱名)、「よい」(平野)というやり取りも行われました。

 端的に言えば、用語や解法を暗記するだけで解けるような選抜試験の比重を下げる、ということに尽きると思います。となりますと、面接を代表とした、報道で流れている「人物本位」という言葉でイメージされるような選抜の仕方だけではなく、「論文」や「記述の多い教科試験」なども当然含まれます。

 部会の委員は、「学力は大切」という認識を崩していない、ここはまず押さえておきたいポイントです。

 蛇足ですが、「報道だけ見ると、高校生が(入試に合格するためには)インターンシップやボランティアやればいいんだね、と安易に受け止められる、それはよくないこと。」と発言された委員もおられました。
《寺西隆行》

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