乳幼児のやけど、受診率は大人の2.6倍…東京都調べ

 東京都は、乳幼児のやけどによるヒヤリ・ハット(ケガはしなかったが、ヒヤリとしたりハッとした事例)調査を実施。その結果とやけど防止のポイントをまとめた「乳幼児のやけど事故防止ガイド」を作成した。

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危害、ヒヤリ・ハット経験をした場所
  • 危害、ヒヤリ・ハット経験をした場所
  • 大人と乳幼児の受診率の比較
  • 危害、ヒヤリ・ハット経験の原因となった製品等
  • 年齢別 危害、ヒヤリ・ハット経験の原因となった主な製品の割合
 東京都は、乳幼児のやけどによるヒヤリ・ハット(ケガはしなかったが、ヒヤリとしたりハッとした事例)調査を実施。その結果とやけど防止のポイントをまとめた「乳幼児のやけど事故防止ガイド」を作成した。

 調査は東京都および近県に居住する0~6歳(未就学児)の子どもを持つ20歳以上の男女を対象に、2013年8月23日~9月6日の期間、インターネットアンケートで実施。男性1,326人、女性1,674人、合計3,000人の回答を得た。

 調査結果によると、乳幼児のやけどでは、調理器具や家電製品等による住宅内での事例のほかに、屋外でも危害やヒヤリ・ハット事例が多く見られた。花火(435件)のようにこれまでも注意喚起がされてきたことのほかに、公園遊具・機械式駐車場等の金属部分(147件)や車・バイクのマフラー等(83件)、アスファルト(49件)等、意外な場所に危険が潜んでいることがわかった。

 屋外でのやけどとしては、「日差しで滑り台が熱くなっていて、おしりをやけどした」(1歳・女児)、「車の下に入ったボールを取りにもぐった際にマフラーに触れてやけどし、すぐに病院に連れて行った」(5歳・男児)、「8月、屋外の機械式駐車場の上(金属製)に座ってしまいやけどをした」(0歳・男児)などの事例が報告されている。

 また、乳幼児のやけどでは、20.6%の事例が病院を受診(入院も含む)するに至っており、大人のやけど事例における受診率7.8%の約2.6倍になっている。乳幼児は皮膚が薄いことや、体が小さく体表面積が狭いことから、やけどをした場合は重症化しやすいので特に注意が必要となる。

 乳幼児の受診・入院に至ったやけどの事例としては、「息子がちょうどつかまり立ちを覚えたころ、ガスコンロの上にあった熱湯の入った鍋をつかんで立ってしまい、鍋がひっくり返って両腕と胸に熱湯を浴び入院した」(1歳/男児)、「娘がハンカチに自分でアイロンをかけているときに、アイロンの先が足に触れてやけどをしたので病院を受診した」(5歳/女児)などの報告が寄せられている。

 東京都では、「乳幼児のやけど事故防止ガイド」を都内の消費生活相談窓口、保育所、幼稚園、保健所等に配布。都民への啓発に取り組むとともに、事業者団体等へ調査結果を情報提供する。
《水野こずえ》

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