【高校野球2014夏】1日目の結果と2日目の見どころ、龍谷大平安は初戦敗退

 悪天候により史上初めて開幕が2日遅れた第96回全国高校野球選手権大会、台風一過の青空の下、甲子園で球児たちの熱い戦いが繰り広げられた。初日の結果と大会2日目(12日)の見どころを紹介する。

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 悪天候により史上初めて開幕が2日遅れた第96回全国高校野球選手権大会、台風一過の青空の下、甲子園で球児たちの熱い戦いが繰り広げられた。初日の結果と大会2日目(12日)の見どころを紹介する。

【第1試合】春日部共栄(埼玉)5-1龍谷大平安(京都)
 今春の覇者、龍谷大平安が登場し、例年以上に注目が集まった開幕試合だったが、激戦区の埼玉県大会を9年ぶりに制した春日部共栄がその力を1回の攻撃から見せつけた。犠飛で先制点を挙げ、さらに適時打を重ねて5点を先取。追う龍谷大平安は再三チャンスを演出するも、左腕金子投手のコーナーに集める投球とバックの好プレーに阻まれて1点を返すのが精一杯。史上8校目の春夏連覇は途絶えた。

【第2試合】坂出商(香川)0-16敦賀気比(福井)
 福井県大会の記録を塗り替えるチーム打率.438の強力打線の敦賀気比が坂出商業に襲いかかった。1回に大会第1号となる峰選手の2点本塁打など打者1巡で4点を奪う。その後もヒット21本を放ち16点を挙げた。坂出商の金丸投手は粘り強い投球が持ち味だが、球が高かったことが悔やまれる。学校創立100周年の記念の年に20年ぶりの甲子園の土を踏んだが、無念の初戦敗退となった。

【第3試合】日大鶴ヶ丘(西東京)0-2富山商(富山)
 16回目の出場となる富山商が試合巧者ぶりを発揮した。特に光ったのが左腕の森田投手だ。決め球のスライダーを効果的に使い、西東京大会で7本塁打を放った強力打線の日大鶴ヶ丘を完封した。日大鶴ヶ丘の選手は甲子園の土を顔に塗り、モットーの「泥臭さ」を体現して挑んだが、左打者が森田投手を攻略できなかった。しかし、両チームともエラーがなく、緊張感が溢れる試合だった。

 大会2日目、12日の第1試合は3年ぶりの夏の甲子園となる日南学園(宮崎)と東邦(愛知)の対戦。日南学園は、宮崎県大会3試合通じて失点1、失策0という堅実な守備が持ち味のチーム。対する東邦は1年生右腕の藤嶋投手の140キロ超の威力あるストレートと、県大会の決勝のプレッシャーの中で完投するマウンドさばきに注目だ。

 第2試合に登場する静岡(静岡)は3年ぶり23回目の出場。1、2年生中心の若いチームで、静岡県大会で27個の盗塁を決めた「足」に注目。対するは、2年連続17回出場の「ミラクル星稜」こと星稜(石川)。県大会決勝で0-8の9回裏に9点を取って「野球は筋書きのないドラマ」を体現した大逆転劇は記憶に新しい。

 第3試合、2年連続8回目の出場の日本文理(新潟)は打ち勝つ野球がモットー。チーム打率は.372を誇り、新潟県大会では6試合中3試合がコールド勝ち。対する大分(大分)は、初出場とはいえ大分県大会の第1シードと地力は高い。エースの佐野投手は最速150キロの直球を持ちながらも、チェンジアップなどの変化球で打たせて取る上手さも備える。

 第4試合は2年連続3回目の大垣日大(岐阜)と、3年ぶり3回目の藤代(茨城)が対戦、どちらも打力が売りのチームだ。大垣日大は長打は少ないが好機にコツコツと適時打を積み上げ、岐阜県大会では6試合で40点を記録した。藤代は140kキロ後半に設定したバッティングマシーンを打ち込む練習を行っており、注目は高校通算33本塁打を誇る根本選手だ。

 開幕から選抜大会の王者、龍谷大平安が初戦から破れる波乱の幕開け。3試合中2試合が初回から試合が大きく動く展開だった。「初回の立ち上がり方は難しい」というのは野球でよく言われることだが、2日間の順延による調整の影響も一因と思われる。明日以降の試合も選手たちの体調、調子の維持がポイントとなるだろう。
《朝倉尚》

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