全国学力テスト結果受け、秋田・北海道・長野が評価・課題を分析

 文部科学省は8月25日、小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。昨年同様に全国トップクラスの秋田県や小学算数Bで最下位だった北海道が結果について公表している。

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秋田県小学6年生平均正答率
  • 秋田県小学6年生平均正答率
  • 秋田県中学3年生平均正答率
  • 北海道の各教科の平均正答率
  • 全国と北海道の平均正答率の差
  • 長野県と全国平均正答率の比較
 文部科学省は8月25日、小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。昨年同様に全国トップクラスの秋田県や小学算数Bで全国最下位だった北海道が結果について公表している。

 秋田県教育委員会は今回の結果に、平成19年以降連続して大変良好な状況にあるとコメント。小学校の国語AB、算数AB、中学国語Aで平均正答回答率が全国1位、中学国語B、数学ABが2位だった。

 小学校・中学校ともにすべての教科で全国平均を4.5ポイント以上上回る結果になった。課題として取り組んでいた思考力を図るB問題では小学校国語で11ポイント、算数で8ポイント、中学校の国語、数学で各4ポイント以上平均正答率を上回った。無回答率も小・中学校とも国語、算数、数学のすべての問題で全国平均を下回った。

 児童生徒質問紙調査では、平成19年度から連続して90%以上肯定的な回答をしている項目が「朝食を毎日食べている」「毎日同じくらいの時刻に起きている」「ものごとを最後までやりとげてうれしかったことがある」。また、小学校、中学校とも全国平均より30ポイント以上高く回答したのが「家で学校の授業の復習をしている」で、小学校で90.7%、中学校で84.4%だった。

 県教育委員会では、インターネット上で自己採点結果の集計・分析をするためのシステムを構築して各学校に提供。既に各学校では自己採点を進め、自校の課題を明らかにして改善に取り組んでいるという。

 北海道は、都道府県別の平均正答回答率が小学校算数Bで昨年に引き続き最下位の47位。中学校の4科目平均正答率では33位、小学校4科目平均正答率は44位だった。昨年度と比較して全国の平均正答率が小学校国語AB、算数B、中学校国語AB、数学Bの6科目で差が縮まった。最下位だった算数Bは昨年度、全国平均を4.4ポイント下回ったが今回は3ポイントに縮まった。

 「家で学校の授業の復習をしている」児童生徒の割合は、小学校で62.6%、中学校で55.8%。昨年度より増加し、全国平均と比較し小学校で8.6ポイント、中学校で5.4ポイント高かった。しかし、道教育委員会が平成26年度までに全教科で「全国平均以上」と掲げた目標は達成できなかった。

 長野県の小学校4科目の都道府県別平均正答率は18位、中学校では34位。同教育委員会は小学校国語A以外は全国平均を上回る良好な結果になったと評価。一方、中学校国語B、数学Bは全国平均を1ポイント以上下回り、活用する力については大きな課題という。

 今後は、学識経験者やPTA、学校関係者などで構成する分析委員会で調査結果を分析し、課題と改善の方向を検討していく。また、教頭や研究主任等を対象に分析の手法の研修を実施。各学校で自校の結果を分析し、学力向上の取り組みに生かしていく。
《田中志実》

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