2014年4月から試験的に4学期制を導入している慶應義塾大学で行われた授業に関するアンケートで、4学期制の導入に賛成する意見は約4割にとどまった。大学側が考える4学期制の利点が学生にまだ実感されていないことが考えられる。 調査は、同大学内のメディアサークル慶應塾生新聞会が、10月2日から31日までの期間、学部生を対象にウェブアンケート方式で実施した。有効回答は464人。 同大学では2014年4月から理工学部、総合政策学部、環境情報学部で4学期制の導入を始めており、従来の2学期制をさらに2つに分割し、約2か月を単位とした授業を2学期制と並行して設置している。 大学側は、同制度により学生が海外留学や国内外のインターンシップ、ボランティア活動などへ参加がしやすくなるとしており、また、約2か月の期間に集中して授業を行うことで、科目により非常に高い教育的効果を得られるとしている。 調査では、導入に賛成したのは40.5%。同会では、肯定的な意見の学生は大学側の掲げる効果を期待していると考えているが、一方の59.5%の反対する学生には、「従来の制度に不便がない」「そもそも制度をあまり知らない」などの意見があり、制度に関する理解の不足があるとみている。 実際に4学期制を経験している理工学部生や湘南藤沢キャンパス(SFC)生では、「試験回数の多さ」「授業進度の早さ」をあげる意見が多く、半期に2つの重要な試験があることや2学期制と4学期制が混在する状況への負担の声があがった。 同会では、4学期制を本格的に進めるには学生への具体的なメリットの説明が鍵になると考えている。