--「母の日」というと、5月の前半。それから、本格的な受験勉強ですか。柳沢校長:運動会の時期までめいっぱい課外活動をやるから、「精一杯やった」と踏ん切りがつくのでしょう。そこから受験勉強に集中し、ほとんどの生徒が希望する大学に入っています。--中高一貫校でありながら、高校からも生徒を受け入れているのはなぜですか。柳沢校長:海外にいたために中学を受けられなかった生徒、遠方から通いたい生徒への配慮が理由のひとつ。それから、もうひとつの理由は、多様性です。 開成では高校から入学した生徒を「新高生(しんこうせい)」と呼んでいますが、高校では4分の1にあたる数の生徒を、高校受験で受け入れています。中学からの在校生と新高生がお互いに刺激し合うことで、風通しがよくなります。--開成のよいところをあえてあげていただくとすると何でしょうか。柳沢校長:先ほど、先輩の面倒見がいい、という話をしましたが、ここは中1から高3までいろいろな人がいる「ミニ社会」です。先輩と後輩がいて、どういうふうに人と関係を作ったらいいか、ということも学べます。後輩は先輩にさまざまなことを教わりますが、後輩を指導することで先輩もまた育てられます。それに中1から高3というのは、体と心の成長期にも重なり、先輩から後輩への指導にも適していると思います。欧米の私立学校も中学・高校を一貫校としていることが多く、やはり、この年代は先輩と後輩から学ぶことは多いのでしょう。--ありがとうございました。 部活動や自身の興味関心があることをやりきることで、自分の居場所を見つける開成中学校・高等学校。部活などを後悔がないくらいめいっぱいやり切るからこそ、受験勉強に集中でき、多くの生徒が希望の大学に進めるのではないだろうか。 このインタビューは2015年3月、NTT東日本が運営する「マナビとミライ」と共同で開催した。◆マナビとミライ NTT東日本が運営する教育情報サイト。多数の中高一貫校を紹介し、親子で進路を考えるのに役立つ情報を提供している。