家庭での「食育」に古谷成司先生がアドバイス…夏休み自由研究にも

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 文部科学省がスーパー食育スクール事業に取り組むなど、昨今「食育」への関心が高まってきているが、「食育」自体は実は明治時代の料理本にも出てくるという。

 10年前の2005(平成17)年7月には、次世代を担う子どもたちの健全な体と心を育むために、「食」はもっとも重要なものと位置づけられ、「食育基本法」が施行された。最近は小中学校でも授業に取り入れられることが多くなってきている「食育」について、保護者も正しい知識を得て、理解しておく必要があるだろう。

 そこで今回、千葉県富里市教育委員会学校教育課主幹で、NPO法人企業教育研究会理事の古谷成司先生を迎えて、幼児から中学生の子どもをもつ、櫻井さん(仮名・お子さん:中2女子/小4女子)、松田さん(同、小4男子/年長男子)、横山さん(同、小1男子/2歳男子)の3名のお母さん方による座談会を企画した。

 古谷先生はNPO法人企業教育研究会の理事として、日本マクドナルドやNHKエデュケーショナルと共同で「食育の時間」の開発に携わり、自ら「食育の時間」を使った授業を積極的に実施している。

 「食育の時間」は、子どもたちにとって身近で大切な食にまつわる生活習慣や食生活を楽しく学べる、主に学校で使用されるWeb教材だ。イラストやアニメーション、グラフなどが多用されていて、幅広い年齢の子どもたちに理解しやすく、DVD付き指導案や各種ワークシートの無料提供、教具の無料貸出しもあり、教師が授業で活用しやすいよう工夫されている。コンテンツはWebサイトで一般に公開されているため、家庭でも活用が可能だ。

◆そもそも「食育」って?

古谷先生:最近は「食育」に関連する授業が、小中学校だけではなく、幼稚園や保育園などでも行われています。なぜかというと、ライフスタイルの多様化などにより、子どもでも朝ご飯抜き、肥満や過度なダイエットなど、食生活の乱れが顕在化しているためです。子どものうちから食に対する正しい知識を身に付けて、関心をもってもらおうということです。これは、子どものためだけではありません。大人になってもずっと続いていくわけですから、食への関心を高め、自分の体との関係を保ちながら、食の管理をする能力を身に付ける、それが「食育」です。

 お子さんたちの学校では、「食育」に関連した取組みをしていますか。

横山さん:息子が昨年保育園のとき、バランスゴマを使って、自分の食べたものがちゃんとバランスゴマと同じになるかどうかという勉強をしました。

櫻井さん:娘の小学校では毎年1回、親も一緒に受ける「食育」の授業があります。野菜嫌いの子が多いので、ホテルの料理長がラタトゥーユを作ってみんなで食べて作り方を習ったり、出汁に詳しい方が来て出汁を作って飲んでみたりなどしました。ただ、出汁を勉強したときは、味がしないためか不評だったようですが…。

◆学校ではどんな勉強をしている? 「食育の時間」を使った授業

 「食育の時間」は、テーマ別に0~5時間目の時間割で構成されており、教師が児童・生徒たちに最適なコンテンツを選び、授業に利用できる。このコンテンツを使って行われた授業は4,533回、受講した児童・生徒数は約131,268名にものぼる(いずれも2007~2014年末の累計)。

古谷先生:「食育の時間」は、各時間の最初にアニメーションがあって、関心をもたせてからゲームでさらに楽しく学べるようになっています。たとえば「好きなものだけ食べちゃいけないの?」がテーマの1時間目は、朝昼晩のご飯のメニューを選び、判定を受けるというゲームがあり、タンパク質の摂り過ぎだとか、ビタミンが足りないといったことがグラフで見てすぐわかるので、好きなものだけを食べていたら栄養が偏ってしまうことを学べます。

 また、3時間目の「どうしてお腹がへるのかな?」ではカロリーについて学びます。私が実際に6年生に行った授業では、自分たちが食べているものを1週間記録して栄養士さんに摂取カロリーを計算してもらい、さらに1日の生活を分単位で書き出して、基礎代謝と活動エネルギーを計算します。そして,その結果をひとりひとりに手渡しました。やはり,痩せ願望のある女の子は摂取カロリーより消費カロリーの方が多いことがわかりました。

 栄養の専門の先生に摂取カロリーが足りないとどうなるか、逆に大幅に上回ったらどうなるかを説明してもらったところ、子どもたちは手元の自分の数字と見比べることで食を見直し、食への関心が高まったようです。それ以降、痩せ願望の女の子も給食をしっかり食べるようになり、給食の完食率が大幅に上がりました。また、肥満気味の子は運動し始めて野菜をとるようになりました。科学的な根拠を基にしているので、子どもでも納得しやすくきちんと理解してくれます。たった1日の、3時間の授業でも、子どもたちはすごく変わるのです。
《鈴木良子》

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