大学らで構成する就職問題懇談会、就活時期の検討に「待った」

 就職問題懇談会が就職・採用活動の検討に「待った」をかけた。就職問題懇談会は11月4日、平成28年度大学、短期大学および高等専門学校卒業・終了予定者の就職・採用活動に関し「来年度の採用選考活動時期の見直しについての結論を出すこと」は避けるよう要請した。

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  • 文部科学省「平成28年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者の就職・採用活動の検討に関する要請」(一部)
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 国公私立の大学、短期大学および高等専門学校で構成する就職問題懇談会が就職・採用活動の検討に「待った」をかけた。就職問題懇談会は11月4日、平成28年度大学、短期大学および高等専門学校卒業・終了予定者の就職・採用活動に関し「来年度の採用選考活動時期の見直しについての結論を出すこと」は避けるよう要請した。要請書が、文部科学省Webサイトに公開された。

 就職問題懇談会によれば、就職・採用活動時期が前倒しされ6月開始になると、6月は授業期間の真っ最中であることから就職活動が学生の授業への出席や学修時間の確保に支障をきたす恐れがある。このことから、活動時期の変更については、すでに来年度の準備を始めている大学側にも不安が広がっているという。また、現在留学中の学生にとっては帰国日程変更の必要も生じるとしている。

 就職問題懇談会の要請は「今年度の検証を踏まえた大学側と経済界の意見交換を経ず、来年度の採用選考活動時期の見直しについての結論を出すことは避けていただく」ということ。学生の採用時期のあり方を検討することで「学生の学修環境を確保することにより、大学は充実した教育を行い、企業の求める人材を輩出することができ、それが雇用のミスマッチの解消につながる」とし、スケジュール変更の結論を導くことは「いささか性急」であるとした。

 学生の就職支援を行うMyCareerCenterの石橋正行氏によれば、「経団連に対し文科省管轄組織が要請を出すことは珍しい」という。就活業界や一部の企業からは、「就活や採用時期を一斉に開始する必要はないのでは」という声もあがっているという。
《佐藤亜希》

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