ハーバード大学は現在、タブレットとロボットでプログラミングを学べるプログラミング教材「Root(ルート)」を開発中であることを明かした。ハーバード大学公式メディア「Harvard Gazette」が4月18日に明かした。想定される対象は幼児から大人まで。 子どもがプログラミングを習いたいと言い出した際、日本の保護者がまず考えることは「一体誰が教えるのか」ということだろう。多くはプログラミング教室や無料体験イベントに参加させることから始まるが、通学も保護者の指導もなく、子どもが直感的にプログラミングを学ぶことができるプログラミング教材がある。それが、ハーバード大学が開発中の六角形ロボット「Root(ルート)」だ。 プログラミングはすでに米国でも多くの子どもが親しみつつあるというが、やはり小さな子どもにとっては“コーディング”という作業は退屈で面倒なもの。しかし、Rootは面倒なコーディングを必要とせず、たとえ5歳の子どもでもタブレットに表示されたアイコンやボタンを操作するだけでロボットを動かすプログラミングを組める。 ハーバード大学が公開したRoot公式動画を見ると、Rootはタブレットから送られる命令や子どもたちが描いた線をなぞるように動いている。Rootが動き回れるのは床だけではなく、垂直なホワイトボード上もなんなく進む。その動きは滑らかで、進行中は本体に搭載されたライトが黄色や青に光り、子どもが楽しみながらRootを操っていることがわかる。プログラミングによっては、Root自身が描線することも可能。 Rootの開発を進めるハーバード内のWyss Instituteが実際に子どもにRootを利用させたところ、プログラミングに必要なif構文を知らない子どもでもすぐにif構文の意味を理解し、Rootを使いこなすことができたという。幼児から大人まで幅広い年齢を対象に、プログラミング初心者でも楽しみながらプログラミングを覚えることができるロボットであるようだ。 Wyss Instituteは現在、Rootを教育現場に浸透させるため、開発に協力する企業を募集している。米国では国をあげたSTEM教育が進んでおり、プログラミング教育はその根幹のひとつを成す。日本にもRootは上陸するだろうか。今後の展開に注目したい。Rootが動くようすや、開発経緯はYouTubeで公開されている公式ムービーで視聴できる。◆Meet Root: The Robot that Brings Coding to Life Rootイメージムービー