法科大学院「適性試験」任意に…志願者数は10年間で4分の1へ

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 文部科学省の法科大学院特別委員会は5月11日、法科大学院の全出願者を対象に実施している「適性試験」について、各校の任意にすべきとする調査検討結果を報告した。平成28年度の入学者選抜実施状況も公表され、志願者数は8,274人と、初めて1万人の大台を割り込んだ。

 法科大学院の入学者選抜における適性試験は、法律学の学識ではなく、法科大学院における学修の前提として要求される資質を判定する試験として、平成15年に導入。統一適性試験として、すべての出願者に対して同一内容の試験を行っている。

 平成27年度の統一適性試験の受験者数は、平成23年度と比較して半数程度に減少。法科大学院の志願者数もこの10年間で4分の1程度に減少しているほか、入学者数もこの10年間で4割弱に減り、特に社会人や法学未修者の減少が顕著となっている。

 報告によると、各法科大学院に対する調査では、ほかの試験方法による代替可能性、受験生の負担感、志願者の大幅減に伴う最低基準点の必要性の低下といった理由から、大半の法科大学院が適性試験に否定的な見解であったという。

 これらの調査検討結果を踏まえ、適性試験については「各法科大学院の任意とすべきであると考える」と提言。受験者の適性を適確・客観的に判断するための取組みとして、ガイドラインの策定や活用についても提案している。

 これに対して、適性試験管理委員会からは「いきなり任意化(事実上の廃止)を提言することには飛躍があると言わざるを得ない」「議論を重ね慎重に結論を出すべき問題」とする意見書が提出された。

 一方、平成28年度の入学者選抜実施状況は、志願者が前年度比2,096人減の8,274人と、初めて1万人の大台を割った。志願倍率は3.0倍。受験者数は、前年度比1,823人減の7,528人、合格者数は前年度比970人減の4,042人、競争倍率は1.86倍。入学者数は、前年度比344人減の1,857人。入学定員2,724人に対する入学定員充足率は0.68倍だった。
《奥山直美》

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