6月14日・15日の2日間、グランドハイアット東京にて開催された「Google Atmosphere Tokyo 2016」。鎌倉学園中学校・高等学校の小林勇輔氏が、Google Classroomの具体的な活用事例や、生徒たちに起こった変化や学習効果を紹介した。
教育ICT高校生
6月14日・15日の2日間、グランドハイアット東京にて開催された「Google Atmosphere Tokyo 2016」。「『働く』に、無限の可能性を。」をテーマに、Googleの製品や活用術を紹介するイベントだ。イベント開催にあわせ、六本木のGoogle本社でも各種説明会が開催された。
説明会の1つ、「教育現場のICT活用のためのGoogle Apps for Education」では、「Google for Education」製品担当責任者であるジョナサン・ロッチェル氏が、日本の教育機関でも導入が進みつつある「Google Apps for Education」と、2015年から提供開始した教員向け授業サポートツール「Google Classroom」について、その背景を解説した。あわせて、実際に両サービスを導入している鎌倉学園中学校・高等学校の小林勇輔氏が、具体的な活用事例や、生徒たちに起こった変化や学習効果を紹介した。
◆導入背景とそのねらい Classroomのきっかけは「スマホ」
「Google for Education」とは、教育領域向けに提供されているGoogleのサービス全般、さらにChromebookやYouTubeなども含めた製品群を指す。「Google Apps for Education」は、GmailやGoogleカレンダー、Googleドライブ、Googleドキュメントなどのサービス群を教育機関向けに無料提供するパッケージ型サービスだ。そして、「Google Classroom」は、Google Apps for Educationに新たに加わったサービスで、教員がクラス全体を管理し、生徒に課題を出したりそれを受け取ったりするためのクラス管理システムとなっている。
鎌倉学園中学校・高等学校の小林勇輔氏は、同校のICT担当としてGoogle Apps for Education、Google Classroomの導入と利用に関わっている。スタートは、教職員全員にメールアドレスを持たせることからだったという。Google Apps for Educationの導入当時は、私物端末を利用している教職員が多かったため、デバイスにとらわれないのも魅力だったそうだ。現在は、議題やメモの共有もGoogleドキュメントで行うまでになってきた。
また、学校現場では、とにかく「写真」を扱うことが多く、これらを一括で管理共有できるのも、小林氏はGoogle Apps for Educationのメリットとしてあげた。「Googleフォト」が特に便利で、学園祭のアルバムを作ったり、保護者と共有したりもしている。
Classroomにおいて特筆すべきは、これが「教育現場のために」という部分だ。従来のGoogleのサービスは、ビジネス現場の普遍的な部分に視点を持っており、Google Apps for Educationもその延長に過ぎなかった。しかしClassroomは、最初から教育現場の支援を目的として開発されている。