10月13日、2016年のノーベル賞最終となる文学賞受賞者が発表された。受賞者は、アメリカ出身のミュージシャン、ボブ・ディラン(Bob Dylan)。世代や国境を越えて歌い継がれる、同氏のつむぐ詩と活動が評価された。 期待された村上春樹は日本人3人目となる受賞を逃したが、同氏の作中や同じ作家である伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」のほか、曲の歌詞や映画のモチーフなど、さまざまなアーティストがボブ・ディランを讃えてきた。世界初となるミュージシャンの文学賞受賞は驚かれつつも、全世界が納得の受賞と言えそうだ。 受賞を機に、ボブ・ディランのプロフィールや彼の代表曲「風に吹かれて(原題:Blowin' in the Wind)」をもとに出版された絵本、「はじまりの日」(岩崎書店)について紹介しよう。◆フォーク、そしてロックの神様へ―ボブ・ディランとは? ソニー・ミュージックはWebサイトで「ボブ・ディラン」ページを開設し、ディスコグラフィやライブ情報を紹介している。 ボブ・ディランは1941年5月24日、アメリカ・ミネソタ州ダルース生まれ。本名はロバート・アレン・ジママン(Robert Allen Zimmerman)。1962年にアルバム「ボブ・ディラン」でデビューし、1963年にはのちに代表曲となる「風に吹かれて」を含むアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」を発表。 1960年代を代表する“歴史的名盤”を発表し、グラミー賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞(主題歌賞)のほか、数多くの賞を受賞している。 ソニー・ミュージックによると、全世界のアルバムトータルセールスは1億枚を超え、自作曲は600曲以上にのぼる。世界通算のライブ回数は2千回以上に及び、約50年間、半世紀にわたり常に第一線で活躍している「唯一のアーティスト」。2016年春には日本ツアーも行い、ツアー直後の5月24日には75歳を迎えた。◆親子で読みたい「はじまりの日」 ボブ・ディランに影響され、ロックやフォークを始めたという保護者も多いではないのだろうか。代表曲「風に吹かれて」に並ぶ名曲として、岩崎書店は「Forever Young」をあげている。 1974年に発表されてから今日まで、老若男女に歌い継がれてきた同曲は、ポール・ロジャース氏が絵、アーサー・ビナード氏が訳を担当し、「はじまりの日」(岩崎書店)として発売されている。 岩崎書店によると、「Forever Young」は「息子に向けて書いた」曲だという。原詩の良さはそのままに、詩人であり翻訳家であるビナード氏は「Forever Young」を「はじまりの日」と訳した。岩崎書店は、この一冊はボブ・ディランが詩に託した“熱い思い”が胸に響くものであるとしている。 残念ながら、岩崎書店Webサイト上において、10月14日午前10時半時点で「はじまりの日」は品切れ状態。注文は重版が確定(重版出来日が決定)してから開始される予定。 CD、絵本を用いて、親子一緒にボブ・ディランに触れてみてはいかがだろうか。