自殺予防・いじめ対応、教職員日常業務の最優先事項に

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  • いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめ(一部)
 文部科学省は11月2日、いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめを掲載した。いじめの定義の明確化のほか、教職員の日常業務において、自殺予防、いじめへの対応を最優先事項に位置付けるよう促す考えなどを示した。

 平成28年度いじめ防止対策協議会は、6月30日から10月24日にかけて全6回の会議を開催。有識者の参画を得て、いじめ防止対策推進法に基づく取組み状況の把握と検証とともに、いじめの問題などに関して、関係者間の連携強化を図り、より実効的な対策を講じるための検討を行った。

 「いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめ」では、いじめの認知、いじめの未然防止・早期発見、いじめへの対処など7つの項目について、現状・課題とともに対応の方向性を記載。いじめの認知件数が0件の学校が全体の43.5%を占めるなど、いじめの認知件数には都道府県によって約30倍もの格差が生じている。このことについては、「明らかに法のいじめに該当するが、いじめとして扱われていないものなどの具体例を示す」など、いじめの定義の明確化を図る考え。

 また、学校内でのいじめの情報共有について、教職員の日常業務の膨大さから、いじめ対策組織への報告や参集して対応を検討する余裕がないという現状を指摘。対応の方向性として、教職員定数の改善による生徒指導専任教員の配置や、部活動休養日の設定、教員が行う業務の明確化を含む業務負担軽減を推進する。さらに、いじめの被害児童生徒を守り通すため、教職員の日常業務の優先順位において、自殺予防、いじめへの対応を最優先の事項に位置付けるよう促す。

 いじめへの対処では、いじめの加害者に対する出席停止措置はほとんど行われておらず、必要な場合であっても教育委員会が躊躇するケースが生じているという。教育委員会に対して、出席停止措置の手順、出席停止中の加害者に対する支援を含む留意事項などを示し、必要な場合に出席停止措置を適切にとることができるよう支援を行う。

 また、重大事態の被害者や保護者の意向がまったく反映されないまま調査が進められたり、調査結果が適切に提供されないケースがあることから、重大事態の調査の進め方についてガイドラインを作成する。

 このほか、児童生徒が主体的に参画し、いじめの防止に向けた方策を議論し、実行する取組みを推進する。児童生徒に対するアンケート・聞き取り調査によって初めていじめが把握される例が多く、児童生徒の協力を得ることは不可欠だとした。
《黄金崎綾乃》

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