「こども保険」で幼児教育無償化、自由民主党が提言

 子育て世代の負担軽減につなげようと、自由民主党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」は、「こども保険」創設の提言最終案を取りまとめた。事業主と勤労者から0.1%ずつ保険料を徴収して、小学校入学前の子どもの児童手当に上乗せ支給するという。

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 子育て世代の負担軽減につなげようと、自由民主党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」は、「こども保険」創設の提言最終案を取りまとめた。事業主と勤労者から0.1%ずつ保険料を徴収して、小学校入学前の子どもの児童手当に上乗せ支給するという。

 「2020年以降の経済財政構想小委員会」は、小泉進次郎氏ら若手議員が中心となって組織。社会保障改革について検討を続け、2016年10月には「人生100年型年金の実現」なども提言している。

 創設を提言した「こども保険」は、子どもが必要な保育・教育などを受けられないリスクを社会全体で支えるという理念によるもの。当面、事業主0.1%、勤労者0.1%の計0.2%の保険料率とし、厚生年金保険料に付加して徴収。自営業者など国民年金加入者には、月160円の負担を求める。

 財源規模は約3,400億円。使途例として、小学校就学前の児童約600万人にこども保険給付金として、月5,000円を児童手当に上乗せ、またはバウチャー(利用券)支給するとし、就学前の幼児教育・保育の負担が軽減されると説明している。

 小委員会では、将来的には医療介護の給付改革を徹底的に進めることで、こども保険料率を1%(事業主0.5%、勤労者0.5%)まで引き上げ、自営業者等の国民年金加入者には月830円の負担を求めれば、財源規模を約1兆7,000億円にまで拡大できるとの案も提示。児童手当への上乗せ金額を月2万5,000円に増やすことで、幼児教育・保育を実質的に無償化できるとしている。

 教育無償化の財源として、一部から提案されている教育国債の発行については、「平等な教育機会の確保は非常に重要だが、新たな国債の目的や名称がどうであれ、今以上の国債発行が将来世代への負担の先送りに過ぎないことは明白」と、否定的な見解を示している。
《奥山直美》

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