インターンシップは単位認定・原則5日以上を

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大学(学部・大学院)におけるインターンシップ実施校数・参加学生数の推移
  • 大学(学部・大学院)におけるインターンシップ実施校数・参加学生数の推移
  • 正規の教育課程としてのインターンシップの届出制度の概念図(例)
 文部科学省は、2016年6月から4回にわたり実施してきた「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」での議論を取りまとめた資料を公表した。おもに大学におけるインターンシップの量的拡大・質的充実を図る方針を示している。

◆全大学の7割が単位認定、しかし参加は伸び悩み

 インターンシップは、その重要性が広く認められ、文部科学省の推進などにより実施大学数や参加学生数は平成9年以降徐々に拡大してきた。平成26年度においては、全大学の72.9%にあたる566校が単位認定を行うインターンシップを実施するなど、平成9年と比較すると5倍強まで増加。大学数に比例し参加学生数も増加しているものの、単位認定しているインターンシップへの参加については、全学生の2.6%にとどまっている状況が明らかになった。

 一方、6割近くの学生は就職支援サイトや企業が募集するインターンシップに直接個人で申し込んでいる実態もあり、大学が関与・把握していないプログラムの場合、5日未満の短期間での実施が多いという。そうしたケースでは、実質的に就業体験を伴わなず企業説明の場となっていることが懸念されるという。

 欧米をはじめとした諸外国では、大学などにおいて単位化された1か月以上の長期・有給インターンシップが主流となっており、多くの学生が参加している状況がある。日本では、単位認定を行うインターンシップへの学生参加率が国際的に見ても特に低く、事前事後学習が行われないなど、量的拡大・質的充実ともに課題は山積している状況だという。

◆課題は大学と企業の連携

 インターンシップは、学生、大学、企業のそれぞれにとって意義がある一方、課題も多数あげられている。会議では、こうした状況や課題を踏まえて、インターンシップのあり方や具体的な推進方策が問われた。

 インターンシップのあり方については、「就業体験を伴うこと」に加え「大学などの関与」を求めることが必要とした。就業体験については、企業が独自に行う「ワンデーインターンシップ」など、実質的な就業体験を伴わない5日未満の短期プログラムには、実態にあった別の名称、たとえば「セミナー」などを用いるよう促した。

 また、「単位認定される」「事前事後の指導時間を設ける」「原則として5日間以上の実習期間」「大学と企業が協働して行う」など、大学の関与を強めることでインターンシップを正規の教育課程へと発展することに期待が寄せられた。

 さらに、具体的な推進方策として、「届出・表彰制度の導入による優れたインターンシッププログラムの普及」「インターンシップの実施に係る負担の軽減」「専門人材の育成・配置」といった国・大学の取組みや、「地域におけるインターンシップ推進のための協議会の充実」といった国・大学・企業・地域の取組みがあげられ、これらの実施により量的拡大・質的充実を図る方針が示された。

 会議では、インターンシップが学習意欲の喚起や職業意識の醸成など有効な教育手法であり、大学の教育改革につながる手段であることが再確認され、さらなる拡大・充実を図ることで認識が一致した。また、主役は学生であり、広く将来を担う若者の育成するため大学と産業界が協働しあうこと、国も新たな財政的・制度的な支援に取り組んでいくことが必要との見解が示された。
《畑山望》

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