プログラミング教育普及の課題、最多は「ICT機材不足」

 コンピュータソフトウェア協会プログラミング教育委員会は2017年12月9日、小中学校の教職員とした「情報教育に関するアンケート」の結果を公表した。プログラミング教育普及のための課題として「ICT機材・ネットワーク環境の不足」がもっとも多くあげられた。

教育ICT 先生
プログラミング教育普及のための課題
  • プログラミング教育普及のための課題
  • プログラミング言語を使用した新規アプリケーションの作成方法・経験について
  • 情報モラル教育と指導経験について
  • IT関連研修参加や情報収集
  • ICT支援員の協力
 コンピュータソフトウェア協会プログラミング教育委員会は2017年12月9日、小中学校の教職員とした「情報教育に関するアンケート」の結果を公表した。プログラミング教育普及のための課題として「ICT機材・ネットワーク環境の不足」がもっとも多くあげられた。

 情報教育に関するアンケートは、2020年に始まる初等教育におけるプログラミング教育必修化に向け、学校現場の教職員が日頃どの程度ICT機器を利用し、どういった課題を抱えているのかを調査するために実施。3つの市(小学校50校と中学校27校)の教職員を対象に行い、326件の回答を得た。回答期間は2017年8月29日~10月6日。回答者年齢の最多は40~49歳が35%で、50~59歳が28%、30~39歳が22%で続いている。

 プログラミング言語を使用した新規アプリケーションの作成方法・経験について聞くと、「経験がないためわからない」が76%ともっとも多く、「質問の用語がわからない」9%、「経験はあるが方法はわからない」4%、「経験があり方法も理解している」「経験はないが方法は理解している」各3%などが続いた。

 情報モラル教育と指導経験について、「指導経験があり内容も理解している」が48%ともっとも多く、「指導経験はないが内容は理解している」23%、「指導経験はあるが内容はよくわからない」14%、「指導経験はなく内容も認識していない」9%などが続いた。

 教員向けICT研修への参加や先進校の取組みなどに対する情報収集については、「担当部門が取り組んでいる」が33%ともっとも多く、「取り組みたいが時間的に難しい」25%、「学校全体で取り組んでいる」17%、「個人的に取り組んでいる」11%、「特に行っていない」7%などが続いた。

 プログラミング教育普及のための課題をたずねたところ、「ICT機材・ネットワーク環境の不足」が212件ともっとも多く、「県・市・教育委員会の支援」187件、「学習・研修時間の不足」176件、「教員人材の不足」137件、「学習環境の不足」120件などが続いた。

 ICT支援員が授業をサポートすることについて聞くと、回答は「ぜひ協力をお願いしたい」が61%ともっとも多く、「多少心配・抵抗がある」23%、「大いに心配・抵抗がある」9%などが続いた。

 プログラミング教育が必修化されることに対する考えは、「プログラミング教育は必要だと思うが、指導できる教員を増やすことと支援員をお願いするための予算が必要」「子どもたちにとって、将来的に必要なのかもしれないが、学校で行うことに時間的・人員的・機材的な限界を感じる。現状ではかなりきびしい」などの回答が寄せられた。

※編集部注:初出時、回答件数の表記に誤りがありました。訂正のうえ再度公開するとともに、お詫び申し上げます。
《工藤めぐみ》

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