【高校受験2019】SAPIX卒業生に聞く、日比谷・西の合格をつかむ学習法

 5月の連休明けから受験モードへ徐々にシフト。多くの受験生にとって憧れの都立日比谷高等学校・都立西高等学校で充実した高校生活を送った3人に、合格を手に入れるまでの道のりや母校の特徴や思い出について、リアルな経験を語ってもらった。

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都立日比谷・西高卒業生座談会
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 5月の連休を過ぎると、どこの学校でもぐっと進路指導に力が入る。漠然とした「憧れ」から、具体的な「志望校」に昇格するのも、この時期。特に中学3年生ともなると、夏期講習をはじめ、本格的な受験対策のスタートを迫られるカウントダウン期間ともいえよう。直前で慌てないためにも、この時期にじっくりと「憧れ」の本質を見極めて、学習方法を確立しておきたい。

 多くの受験生にとって憧れの都立日比谷高等学校・都立西高等学校で充実した高校生活を送った3人の先輩に、合格を手に入れるまでの道のりや母校の特徴や思い出について、リアルな経験を語ってもらった。

1)石立梢さん(西→早稲田大学・理工学部3年)
2)藤波あきさん(西→お茶の水女子大学・生活科学部3年)
3)両角大晴さん(日比谷→東京大学・文科二類3年)
※いずれも仮名

--本日はお集まりいただき、ありがとうございます。出身高校と現在通う大学についてご紹介ください。

石立さん:西高出身の石立です。現在は、早稲田大学・理工学部3年で、社会基盤インフラの整備について勉強をしています。日々の学習のために、中学2年の春から自宅近くのSAPIX中学部に通い、その後Y-SAPIXで大学受験対策をしました。

藤波さん:同じく西高校出身の藤波です。今はお茶の水女子大学・生活科学部人間生活学科で発達臨床心理学、臨床系のカウンセリングを学んでいます。私はSAPIX中学部で受験までのまる3年間を過ごし、高校3年の夏から、Y-SAPIXに通いました。

両角さん:日比谷高校出身の両角です。東京大学文科二類に進学し、進振を経て、今は経済学部・金融学科に所属しています。SAPIXには中学部に3年間、Y-SAPIXにも3年間通い、大学合格までサポートしていただきました。

--西高生活はいかがでしたか。独自の伝統や特徴的だと感じたことについても教えてください。西のホームページには「自主自律」「授業で勝負」と書かれていますよね。

石立さん:はい。まさにそのとおりだと思います。高校3年の夏に引退するまで硬式テニス部で、部活にとことん専念する毎日だったので、勉強はまさに「授業が勝負」。周りの生徒にも皆、その精神が浸透していたように思います。

藤波さん日々の勉強はやはり授業が中心でした。進路選択については、3年への進級時に文系・理系の選択をします。学問を網羅的に学んでから、やりたいことを見つけるという方針のようです。

--日比谷はいかがでしたか。

両角さん:2007年から現在に至るまでスーパーサイエンススクールに継続して指定されており、東京大学や東京医科歯科大学などの研究室訪問や、海外研修の機会も設けられていて、高校在学中から高等教育機関の研究に触れることができます。学校の授業だけでも東大合格は可能だと感じるほど、授業のレベルは高いです。特に、英語、社会の授業は充実しています。

--高校で特に力を入れて取り組まれたことについて教えてください。

石立さん:部活です。地元の公立中学校から、西に進学し、高校3年間部活をやりきって、大学受験まで経験したので、自分でも物事を成し遂げるための忍耐力がついたと感じます。西には「勉強以外のことも頑張っていることがかっこいい」という風潮があったので、いろんなことに興味を持って、熱中して、楽しんでいる魅力的な友人が多かったです。

藤波さん:私も高校3年になる直前まで吹奏楽部に在籍し、学生指揮者も経験しました。顧問の先生はあまり介入せず、生徒に主導権があったので責任は重いですが、やりがいもありました。未完成な人間ながら、リーダーとしてみんなをまとめた経験は今の自分の糧になっています。

両角さん:やはり日比谷高校伝統の三大行事には、力を入れて取り組みました。5月の体育祭、6月の合唱祭、9月の星陵祭のすべてが前期にあるので、3年前期まで全力で行事に取り組み、それ以降は勉強に集中できました。

--志望校を決めた時期やきっかけについて教えてください。

両角さん:日比谷に行こうと最終的に決めたのは、3年の11月です。一般的には遅い時期かもしれません。でも実際に足を運んで学校のようすを体感したことで志望校として強く意識でき、モチベーションも高く勉強に取り組むことができました。

石立さん:2学年上の先輩が西に進学したことがひとつのきっかけです。中学2年の夏に学校説明会に参加し、自由な雰囲気の中でのびのびと活動している生徒のようすを見て、志望校に決めました。

藤波さん:西を目指す人は、幼い頃から志望している人が多いイメージがありますが、私が志望校を決めたのは中学3年の11月とかなり遅いタイミングです。自宅から離れていることもあり、それまでは視野に入れていなかったのですが、西を志望している友人の影響で、志望校の候補として考えるようになりました。父がSAPIX主催の学校説明会に参加して、西の印象のよさを伝えてくれたことが決定打になりました。

--西や日比谷で充実した高校生活を送るために、必要な力は何でしょうか。

石立さん:めげない・くじけないという柔軟性が大切な気がします。同じような学力の人の集団である以上、中学では学年上位でも、西に入学した途端に学年ビリにもなり得るわけです。一度は皆自信をなくしますが、それでも仲間と切磋琢磨して、頑張るためのタフな心が大切だと思います。

藤波さん:西にはとてもパワフルで、エネルギッシュで、強くて、たくましい人が多いイメージなので、そんな環境で自分が生き抜いていけるのか正直心配でした。でも入学後には、西はいろいろな人たちの集合体だということに気付いて、安心しました。いってしまえば、その多様性こそが西高らしさ。いろんな人を受け入れる心があれば大丈夫です。

両角さん:行事や部活などがあるとはいえ、やはり学校生活の中心は授業です。学校の授業をきちんと受けられるかどうかで、充実度はぐんと変わると思います。日比谷は、授業の質が高いといわれます。授業をないがしろにして勉強は塾で、というのでは、非常にもったいないです。

--合格するために必要な力について、皆さんの経験を踏まえてお聞かせください。また、その力を取得するためにどのような学習をしましたか。

藤波さん:私は推薦だったので、内申点を上げたいと考え、おもに定期テストで高得点を目指しました。中学3年の夏時点では、合格は難しいという判定だったのですが、得意教科の国語で稼いだ点数を、苦手科目でマイナスにしないように、数学を集中的に勉強することで、無事に乗り切ることができました。あわせて、推薦入試は作文・集団討論・面接なので、それぞれの対策をしました。特に作文はSAPIXの先生に添削してもらい、とことん対策しました。作文中に盛り込む具体例のストックを増やして、自分の経験に関連付けて記述できるようにしておくとよいというアドバイスはとても参考になりました。

石立さん:西や日比谷の一般入試は、英数国が自校作成問題、理社は都立の共通問題です(注:西は2002年度、日比谷は2001年度より自校作成問題を導入し、2014年度よりグループ作成問題に移行、2018年度より自校作成問題に戻った)。共通問題は高得点を獲得することが合格の前提条件となっているため、確実に正解する必要があります。それをクリアしたうえで、私は苦手な英語を克服するための学習をしました。特に、西の英語は読解文が非常に長いといわれています。私の受験時も同じで、読みきれなくても自分のわかるところを効率的に埋めていくことが求められました。たとえ完璧ではなくても、自己ベストを出し切るというタフな精神が求められます。

両角さん:一般入試で受験しました。志望校よりもさらにレベルの高い高校に照準を合わせて勉強をするようにしました。僕の例でいうと、日比谷に進学するつもりではいましたが、開成や早慶なども見据えた勉強をしていました。またレベルを問わず、似たような出題傾向の高校の過去問に取り組むことも有効だと思います。

--中学生時代の学習習慣を教えてください。工夫していたことやこだわりの勉強法はありましたか。

両角さん:勉強の日は勉強、部活の日は部活とメリハリをつけて毎日過ごしていました。特に勉強は、観たいテレビ番組などの誘惑のない早朝に取り組むことで、効率的にこなすことができました。

石立さん授業の復習を中心に学習していました。中学2年でSAPIX中学部に通い始めてからは、宿題を、提出期限までにきちんとこなすことに注力しました。授業内容をしっかりと振り返ることで、予習をしなくても定着させることができたと思います。

藤波さん:中学時代は、SAPIXでの学習を中心に取り組んでいました。SAPIXは進度が早いので、学校の授業が復習の役目を果たしてくれました。そのため、学校の定期テストも最終チェックの意味で非常に有効でしたし、高得点を取ることもできました。

--SAPIX中学部の思い出をお聞かせください。

石立さん周りに優秀な友人が多かったことが刺激になりました。目標が明確になり、お互いに高め合うこともできました。当時の友人とは今でも縁が続いています。先生方も、授業が終わったあとも質問に丁寧に答えてくださるなど、親身にサポートしていただけるのを肌で感じることができ、安心して受験に臨めました。少人数制ならではの対応だと感じました。

藤波さん:SAPIXのクラス分けは志望校別ではなく、完全に成績順なので、そのときの成績に応じてクラスの変更があります。悔しい思いや自信をなくしかけることもありましたが、それが今の自分のレベルだと思って頑張りました。逆に好成績が取れたときには、すごく自信になりました。SAPIXの先生にはメンタル面でも非常に支えていただきました。「大丈夫。西高受かる!」と励まして、一緒に頑張ってくださいました。その先生は今でも私の憧れです。

両角さん:当時の室長には本当にお世話になりました。特に、夏休みには「1日10時間勉強を」といわれたことを守り、必死に取り組みました。SAPIXの教室にこもって勉強したことで集中でき、成果を出すことができました。

--進路指導に関して、高校ではどのようなサポート体制がありましたか。

藤波さん:西では、夏期講習や土曜講座などの集中講座を開講していて、充実した学習環境が整っています。職員室もオープンで、授業での質問、進路相談など内容を問わず、先生に何でも聞ける雰囲気があります。

石立さん:環境を揃えてくれていて、志望校への受験をサポートしてくれる、挑戦を応援してくれる、寛容な先生たちと校風があります。浪人する人が多いのは、そのチャレンジゆえだと思います。

両角さん:受験対策でいえば、夏休みに実施される夏期講習は非常に有意義なものでした。1~3年まで全学年を通して、全科目で計100講座以上が開講されます。先生方も非常に熱心で、個別に丁寧に添削してくださったり、なかには個人向けに対策のプリントを作成してくださる先生もいました。

--高校入試・大学入試を通じた経験で「よかった」と思うことはありますか。

石立さん:復習メインの学習スタイルを身に付けられたのは、SAPIXのおかげです。今でも直面した課題をまずは自分でも調べ、それでも解決しなければあとに持ち越さず、その場で質問して消化するようにしています。SAPIXは毎回新しい発見があり新鮮なので、授業が楽しいです。

藤波さん:高いレベルの仲間の中に自分が入る経験を、SAPIXで経験しているので、高校や大学入学時など、どんな環境に入っても物怖じしなくなりました。SAPIXの授業は初回から非常に楽しく、SAPIXで学習できてよかったと思っています。

両角さん:学習習慣を身に付けられたのはもちろん、生活のリズムも整えることができました。早朝に勉強することが習慣化しているので、今でも早起きは苦ではありません。

--最後に、高校受験を目指す後輩たちに、メッセージをお願いします。

石立さん:「母校が好き」という人はたくさんいると思いますが、私も例に違わず、西高という母校が大好きです。部活も行事も勉強も自分の出せる力を出し切って、あのときに頑張った経験が「だから今も頑張れる」というときの原動力になっています。もし西に憧れを抱いてくれているのであれば、諦めずに最後まで食らいついて、タフに受験を突破してほしいです。

藤波さん:部活に入らなくても行事を頑張るとか、勉強だけでなく部活も全力投球するとか、各々が頑張れる環境と土台が用意されているのが西高です。自由には責任が伴うのが条件ですが、まさに生徒の「自主自律」に任せてもらえるのはとてもありがたいことです。1日1日の濃さを体感してほしいです。

両角さん:日比谷の最大の魅力は、授業の質の高さにあると思います。「学校の授業を真面目に受ける」というのは当たり前のことなのに、多くの生徒に軽視されているのが現実です。高校受験に臨む際にも、まずは中学校の授業にしっかり向き合う習慣をつけることが大切だと感じます。学校の椅子に座っている時間を苦痛と感じずに、自分の身になるように授業に取り組むことで周りに差をつけることができるのではないでしょうか。これを習慣化することで、高校入学以降もメリハリのついた有意義な学校生活を送れるはずです。

--充実した高校3年間を送るためには、その前準備も大切だと改めて感じました。本日はどうもありがとうございました。

 皆が本腰を入れ始める中学2年の夏からは、定期テストの難度を上げる学校も見られる。早めの対策をすることで、推薦入試にも一般入試にも対応できる学力をつけることができるだろう。「憧れ」のまま終わらせないために、夏がくる前に、志望校までの道をまず一歩踏み出したい。

 SAPIXでは、2019年度入試に向けてさまざまなイベントの開催を予定している。2018年の高校受験夏期講習は、7月25日(水)に開講する。公開模試「サピックスオープン」についても中学3年生対象の7月1日(日)、中学1~3年生対象の9月16日(日)をはじめ順次実施予定だ。

 イベントの他にも、SAPIXでは都立高校入試に関しての役立つ情報を継続的に発信している。都立高校入試についてわかりやすく解説した特集記事「初歩からわかる、都立高校入試の仕組みと対策」や、日比谷高校・西高校に特化して入試データを分析した動画も「SAPIX中学部YouTube公式チャンネル」にて公開中だ。また、2018年6月20日には受験情報誌「SQUARE(スクエア)特別増刊号・都立高校特集」を刊行。SAPIX中学部ホームページより無料にて請求できる。

2018年 高校受験夏期講習
対象:小学6年生、中学1~3年生
開講:2018年7月25日(水)
入室テスト:2018年6月23日(土)、7月7日(土)、7月16日(月・祝)

2018年度 公開模試スケジュール
2018年7月1日(日):第2回 サピックスオープン(中3)
2018年9月16日(日):第3回 サピックスオープン(中1~3)
※このほか、日比谷高校・西高校、国立大学附属高校、難関私立高校対象の学校別入試プレも実施される
《野口雅乃》

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