進研ゼミ生および一般の高校1年生が駆けつけた会場に、高校生代表の伊藤小春さんと俳優の千葉雄大さんが登壇し、最新アプリを利用したスピーキングレッスンを体験した。
新しい英語発話アプリ「1分スピーキング」」は、2018年7月20日から「進研ゼミ高1講座」で提供されるアプリ。2018年4月に同講座での提供がスタートした外国人講師による個別レッスン「オンラインスピーキング」に続く、2018年度の英語4技能強化サービス第2弾だ。
生徒の間に横たわる英語学習への不安と、2020年度に本格実施される大学入試改革も見据え、「進研ゼミ高校講座」を受講している全員に、追加料金なしで提供する。
家庭の英語学習環境をサポート
ベネッセコーポレーション 高校生事業本部 本部長の福光賢治氏は、記者会見の冒頭、会場に集まった高校生に向け、2020年からの大学入試改革をテーマに、「英語」を取り巻く学習環境の変化を説明した。
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画像:ベネッセコーポレーション 高校生事業本部 本部長の福光賢治氏
「2020年からの大学入試に関する報道が相次いでいる」「大きな変化の中で、みなさん(会場の高校生)や保護者のみなさんの不安が高まっているのではないか」福光氏は、もしそういった消極的な気持ちであっても、「安心してほしい」と続ける。「ベネッセは、さまざまな学習環境に対応する、学校、塾・予備校、家庭学習向けのサービスを用意しています」。
変わる英語学習に対し、ベネッセはおもに「学校」「塾・予備校」「家庭学習・通信教材」の3領域に向けたサービスを展開している。学校向けには、スコア型英語4技能検定の「GTEC」、塾・予備校向けには、オンラインの英語スピーキング対策講座「English Speaking Training」。家庭向けには、大学入試改革に向け、特に「進研ゼミ高校講座」の高校1年生に向けたサービスリニューアルを行っており、今回のアプリ「1分スピーキング」はまさにその一環として提供するものだという。
福光氏は「『ベネッセはいざというときに頼りになるね』と言われるようになりたい」とコメント。「1分スピーキング」を含め、今後も包括的な英語4技能強化のサポートを行うと述べた。
発話をきっかけとした4技能強化へ
ベネッセコーポレーション 高校生商品部 部長の溝渕美保氏によると、「1分スピーキング」のこだわりは3つある。
1つは、1,500以上の表現を収録した点。2つは、通学や就寝前などのスキマ時間に取り組めるよう、1回1分の短時間設計とした点。3つめは、英語が頭に残りやすい印象的なシーン・表現を盛り込んだ点だ。
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画像:ベネッセコーポレーション 高校生商品部 部長の溝渕美保氏
「『あるある』と思えるようなシーンや、『話してみたいな』という表現を盛り込みました。たくさん聞いて、たくさん話すことで、『発話』をきっかけとした英語4技能トレーニングを重ねていくことができます。」(溝渕氏)
使用感は? 好きなキャラと多彩に会話
アプリの利用は簡単。スマートフォンを用意し、レベルと20人以上のキャラクターを選んで「会話」をスタートするだけ。キャラの絵柄や性別、バックグラウンドはさまざまで、どんな高校生でも親しみを覚えるようなキャラが1人はいるよう工夫されているという。
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画像:小さいころ日本に住んでいたという設定の「レン」くん
ユーザーはまず、選んだキャラとのトークシチュエーションを選択する。すると、選択された場面に応じ、キャラが流暢な英語でユーザーに“話しかけて”くる。次に、ユーザーは画面に表示されたボタンをタップし、アプリに向かって例文を読み上げる。録音が確認されると、キャラが次のフレーズを話し始める。
こうして会話が続き、1回のレッスンが一段落すると、最後には発音判定システムによる発音の正確さが評価として表れる。どこを強く発音するとよいかといったアクセントのアドバイスや、表現に関するワンポイント知識も提示され、実行から振返りまでを短時間のうちに完結することができるよう工夫されている。
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画像:発音の正確さを判定してもらえる
高校生の反応はどうだろうか。発表会では、高校1年生の代表として、原宿駅前パーティーズ「ふわふわ」メンバーの伊藤小春さんが登壇。アプリ「1分スピーキング」に挑戦したところ、「キャラがたくさんいますね」と感激のようす。楽しみながら男の子のキャラ「ジャン」との会話を楽しむことができた。
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画像:高校1年生の代表として「1分スピーキング」に挑戦した伊藤小春さん
なお、「1分スピーキング」は、提供開始日の2018年7月20日から8月25日までの期間限定で、通信講座「進研ゼミ」のテレビCMキャラクターを務める俳優の千葉雄大さんも会話の相手(キャラ)として選択できる。この特別仕様を受け、当日は千葉さん本人も会場に駆けつけた。
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画像:2人による英語のミニトークが披露された
もともと洋楽や洋画が好きだったことから、英語学習にも前向きだという千葉雄大さん。来場した高校生からは、「勉強のモチベーションを上げるにはどうしたらよいですか」という質問を受けた。千葉さんは「そういうのありますよね」と共感の意を示しながら、「大人になってから思うけど、苦手なものこそやったらいいのかなと思う。頑張ってください」と、自らの学習体験や日々の思いを語り、若い学習者たちにエールを贈った。
◆千葉雄大さん&伊藤小春さん 英語ミニトーク披露!
なお、当日は2018年4月から提供されている「オンラインスピーキング」の外国人講師、シェイ先生も応援にやってきた。「日本人の生徒はすごくシャイ」としながらも、講師はみな生徒と会話できること自体が楽しく、心待ちにしていることから、積極的に英語の発話や会話に挑戦してほしいとの意を述べた。
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画像:2018年4月から提供されている「オンラインスピーキング」の外国人講師 シェイ先生も駆けつけた
まずは「発話」から、苦手意識払拭を
「1分スピーキング」の特徴の1つには、会話の相手は機械だ、ということがあげられる。英語4技能の上達には、とにかく人と英語でコミュニケーションを取るべきだ、という意見もあるだろう。しかし、間違ってもよいと言われても、「相手に迷惑をかけるのでは」「発音が下手で…」といった中高生の不安を払拭するのは簡単でない。今回のアプリのねらいは、まさにこの会話へのステップアップとなる「発話のきっかけ」を作ることにある。
ベネッセ教育総合研究所による「中高生の英語学習に関する実態調査 2014」によると、高校生の約7割は英語で話すことや英語を書くことに苦手意識を持っている。さらに、中学生の調査から連続して見ると、学年が上がるにつれて英語の「聞く」「話す」を苦手と答える生徒の割合が増えるという。つまり、英語に対する不安の芽は若いうちから摘み取る必要があり、苦手意識を払拭するきっかけはできるだけスモールステップから始めるとよい、ということだろう。
「1分スピーキング」をきっかけに、英語を話すことに対する違和感や、自分の発する「英語」を受け入れる耳の抵抗感をなくす(案外“自分の英語”を聞くのは恥ずかしい)。そして、自信がついたら、1回15分の「オンラインスピーキング」で外国人教師との英会話へステップアップする。「進研ゼミ高校講座」が今後、紙のテキストによる英語の読み書き・リスニングと、アプリやスピーキングサービスを用いた“進研ゼミ完結型”の英語4技能強化に本腰を入れようとする勢いが見て取れた。