【自由研究・物理】火力・水力・原子力ではない、新しい発電方法を調べる(中学生向け)

 毎年夏休みに小中学生の宿題に出される「自由研究」は、普段はなかなか時間をかけて取り組むことが難しい研究や実験に挑戦できるチャンス。化学、物理、地学、生物…さまざまな分野から、おすすめのテーマをご紹介する。

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【物理】火力・水力・原子力ではない、新しい発電方法を調べる~エコ発電を体験しよう~(中学生向け)
  • 【物理】火力・水力・原子力ではない、新しい発電方法を調べる~エコ発電を体験しよう~(中学生向け)
  • 用意するもの
  • 実験1 手順1
  • 実験1 手順2
  • 実験1 手順3
  • 実験1 手順4
  • 実験1 手順5
  • 太陽電池・LEDと電流・光の関係
 毎年夏休みに小中学生の宿題に出される「自由研究」は、普段はなかなか時間をかけて取り組むことが難しい研究や実験に挑戦できるチャンス。化学、物理、地学、生物…さまざまな分野から、おすすめのテーマをご紹介する。

 ここでは、手に入れやすい素材を使用した実験「エコ発電」の方法をご紹介。自由研究テーマ選定の参考にしていただきたい。

自由研究:中学生向け 小学生向け

火力・水力・原子力ではない、新しい発電方法を調べる~エコ発電を体験しよう~


第1分野【物理】実験


制作時間:2時間 難易度:★★★



 生活に欠かせない電気エネルギー。現在、さまざまな発電方法がありますが、将来的には環境にやさしく、長く続けられる発電方法を見つけ出すのが課題となっています。そこで、私たちでも手軽に発電できる「エコ発電」について考えてみましょう。

用意するもの


5mm赤色LED* 圧電スピーカー* 赤色3WパワーLED* 電子オルゴール*
*用意するものは、すべて通信販売などで購入できます。


実験1 やってみよう 衝撃発電とLED発電に挑戦する



★手順 全5工程
 スピーカーに電流を流すと音が出ます。また、赤色LEDに電流を流すと光ります。それでは反対に、スピーカーに振動を与えたり、赤色LEDに光を当てると電流は流れるのでしょうか。

 圧電スピーカーや、大型の赤色パワーLEDを使って調べてみましょう。


圧電スピーカーからのびる赤色の導線と赤色LEDの長い足、黒色の導線と短い足とをそれぞれ接続する。


圧電スピーカーの中央を指ではじいて衝撃を与える。そのとき、赤色LEDが光るかどうかを観察する。


電子オルゴールからのびる導線の被覆をはがす。赤の導線を赤色パワーLEDの+(プラス)側、黒の導線を-(マイナス)側に、それぞれ接続する。
※赤色パワーLEDの接続方法は種類によって異なるが、図のようにはさみこむタイプのものが多い。


太陽光に赤色パワーLEDを向けると、電子オルゴールが鳴るかどうか調べる。


蛍光灯の光や懐中電灯の光など、さまざまな光源を赤色パワーLEDに当てて、電子オルゴールが鳴るか調べる。

うまくいかないときには



接続する部品同士の導線をつけまちがえない

●圧電スピーカーと赤色LED を接続するとき、また電子オルゴールと赤色パワーLEDを接続するとき、導線の色や+と-を間違えると、実験は成功しません。よく確認しましょう。

●実験で使うLED は赤色が適しています。ほかの色のLEDでも電流は流れますが、うまくいかない可能性があります。

なぜそうなるの? ~LEDと太陽電池の構造は同じ~



光が当たると電流が生まれ、電流を流すと光を発する

 LEDや太陽電池は半導体と呼ばれる物質でできています。半導体は、導体(電気を通す物質)と不導体(電気を通しにくい物質)との中間の性質をもっています。

 半導体は不純物を加えることで、さまざまなはたらきをもちます。そして、加える不純物の種類によって内部に電子が多くなる-(マイナス)型と、電子が不足し、電子の抜け穴ができる+(プラス)型に分けられます。

 太陽電池やLEDはこの2つを接合させて作られています。接合部に光が当たると電子が飛び出し、そのぬけた穴の数も増えます。飛び出した電子が導線を通ると電流になります(A図)。

 一方、接合部に電流を流すと、図のように抜け穴に電子が入りこみます(B図)。このときに解放されるエネルギーがLEDの光となって外に出て行くのです。

●太陽電池・LEDと電流・光の関係


接合部に光が当たると電子が飛び出して電流が生まれる。また電子が流れると発光する。

実験2 やってみよう 温度差を利用した発電に挑戦する



★手順 全4工程
 身の回りに、温度が均一な場所はほとんどなく、同じ物体でも温度に差があります。どこにでも存在する温度差を利用して、電流を流すのが「ペルチェ素子」です。

 ペルチェ素子の片面を温め、もう片面を冷やして、電流を流してみましょう。

用意するもの


ペルチェ素子*(8Aタイプがよい)、ソーラーモーター*、セロハンテープ、保冷剤、ドライヤー、電子オルゴール*
*通信販売などで購入できます。


ペルチェ素子とソーラーモーターを接続する。


ペルチェ素子の、表面(数字などの刻印がついていない側)を下に向け、保冷剤の上にのせる。
※ペルチェ素子のメーカーによっては、刻印面を保冷剤にのせるタイプのものもあります。


ペルチェ素子の表面をドライヤーで温める。ソーラーモーターが回るかどうか観察する。


ソーラーモーターを電子オルゴールに置きかえ、ペルチェ素子と電子オルゴールからのびる導線は、赤と黒それぞれ同じ色同士を接続する。電子オルゴールが鳴るか観察する。

そうなんだ! ~温度差で電気が生まれるしくみ~



 金属はその種類によって、電流の流れやすさが違います。2種類の金属を接合させた部分を電流が流れるとき、流れやすい金属から流れにくい金属に移動するときには、エネルギーの差の分を周囲から熱エネルギーをうばって補います。

 反対に、流れにくい金属から流れやすい金属に移動する場合は、余ったエネルギーを周囲に熱として放出します。この性質を利用して、接合部に温度差を与えると電流が流れるのです。

レポートのまとめかた



 赤色3WパワーLEDを使うとLED1個でオルゴールが鳴りますが、赤色5mmLEDでも数を集めると鳴るのでしょうか?つなぎ方(並列か直列か)によって、どのような違いがあるか比べて表にまとめましょう。

 保冷剤とドライヤーを使った方法以外で、ペルチェ素子に温度差をつけて発電する方法を考え、実際に試してみましょう。

自由研究 中学生の理科 Newチャレンジ

発行:永岡書店

<著者プロフィール:野田 新三(のだ しんぞう)>
1970年大阪生まれ。不思議に思ったことは「自分で確かめたい」という気持ちから、理科に興味を持つ。95年千葉大学大学院教育学研究科を修了後、理科の教諭として教壇に立つ。


《リセマム》

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