大学生の飲み放題、飲酒量は男子1.8倍・女子1.7倍に増加…筑波大

 筑波大学は2018年8月29日、飲み放題は大学生の飲酒行動にどう影響するかを調査した吉本尚准教授・川井田恭子氏による研究成果を発表した。飲み放題における飲酒量は、飲み放題でない場合に比べて男子学生で1.8倍、女子学生で1.7倍に増加することがわかった。

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「飲み放題は大学生の飲酒行動にどう影響するか~飲み放題に関する議論の必要性~」参考図
  • 「飲み放題は大学生の飲酒行動にどう影響するか~飲み放題に関する議論の必要性~」参考図
 筑波大学は2018年8月29日、飲み放題は大学生の飲酒行動にどう影響するかを調査した、筑波大学医学医療系 吉本尚准教授と、博士課程2年の川井田恭子氏らの研究グループによる研究成果を発表した。飲み放題における飲酒量は、飲み放題でない場合に比べて男子学生で1.8倍、女子学生で1.7倍に増加することがわかった。

 大学生を含めた10、20代の若年層におけるアルコール過剰摂取を原因とする死亡は、世界で年間33万人に達するという。筑波大学医学医療系 吉本尚(よしもと ひさし)准教授と筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻 博士課程2年の川井田恭子(かわいだ きょうこ)氏による研究グループは、大学生によるアルコール過剰摂取への対策が必要と考え、これまでほとんど行われてこなかった、飲み放題と大学生の飲酒量の関連について調査した。

 研究グループは、31大学35学部の法的に飲酒可能な20歳以上の大学生・大学院生594人を対象に、飲食店における飲み放題に関する横断的調査を行った。有効回答は533人。そのうち、飲み放題を利用した経験がある学生は95.8%にあたる511人だった。

 飲み放題を利用したことがある学生に、飲酒頻度や1回飲酒量などを聴取したところ、飲み放題でない場合の飲酒量に比べ、飲み放題では男子学生では48.2±29.5gから85.9±49.7gへ1.8倍に、女子学生では36.5±26.7gから63.7±39.3gへ1.7倍に増加していることがわかった。また、飲み放題の場合のみ、男子学生の39.8%、女子学生の30.3%は、HED(一時的多量飲酒)という危険な飲酒をしていることが明らかとなったという。

 研究成果は、2018年8月29日付けで「The Tohoku Journal of Experimental Medicine」のオンライン版に公開されている。
《佐藤亜希》

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