全国社長の出身大学ランキング、1位は8年連続…強まる地元色

 東京商工リサーチは2018年10月9日、2017年「全国社長の出身大学」調査結果を発表した。社長の出身大学は、8年連続で「日本大学」がトップとなり、2位「慶應義塾大学」、3位「早稲田大学」に大差をつけた。都道府県別では、地元大学がトップとなる地域が増えている。

教育・受験 その他
2017年 全国社長の出身大学
  • 2017年 全国社長の出身大学
  • 2017年 都道府県別(企業所在地)社長の最多出身大学
 東京商工リサーチは2018年10月9日、2017年「全国社長の出身大学」調査結果を発表した。社長の出身大学は、8年連続で「日本大学」がトップとなり、2位「慶應義塾大学」、3位「早稲田大学」に大差をつけた。都道府県別では、地元大学がトップとなる地域が増えている。

 全国社長の出身大学調査は、東京商工リサーチの企業データベース約480万社の代表者データ(個人企業を含む)から、公開された出身大学を抽出、集計したもの。同一人物が複数の企業で社長を務めている場合は、売上高が高い企業を優先し、重複企業を集計対象外としている。

 社長の出身大学のトップは「日本大学」の2万2,183人。他大学に比べて卒業生数が圧倒的に多いこともあり、社長人数は唯一2万人を超え、2010年の調査開始以来、8年連続で首位に立った。2位は「慶應義塾大学」1万918人、3位は「早稲田大学」1万696人と、いずれも1万人を上回った。

 4位は「明治大学」8,866人、5位は「中央大学」8,146人、6位は「法政大学」6,505人と、トップ6には東京都内に本部を置く大学が並んだ。関東以外からは7位に「近畿大学」、9位に「同志社大学」、10位に「関西大学」と、近畿勢3校がトップ10入りした。

 上位10位の結果は、前回調査(2016年)と同じ顔ぶれ。10校すべてを私立大学が占めた。国立大学は、「東京大学」が3,878人で11位に入ったほか、21位に「京都大学」2,489人、22位に「大阪大学」2,414人、26位に「北海道大学」2,161人、27位に「九州大学」1,984人、29位に「東北大学」1,927人。旧帝大を筆頭に上位100位内に25校がランクインした。

 都道府県別では、日本大学出身の社長は東北や関東を中心に19都県でトップを占めた。西日本では、「関関同立」や地元大学が強い傾向にあった。地元大学(東京都を除く)が社長出身大学のトップとなったのは、東日本では北海道大学(北海道)、岩手歯科大学(岩手県)、東北学院大学(宮城県)、愛知学院大学(愛知県)、三重大学(三重県)、富山大学(富山県)、金沢大学(石川県)、福井大学(福井県)の8校。

 西日本では、同志社大学(京都府)、近畿大学(大阪府)、甲南大学(兵庫県)、鳥取大学(鳥取県)、島根大学(島根県)、岡山大学(岡山県)、広島大学(広島県)、山口大学(山口県)、徳島大学(徳島県)、松山大学(愛媛県)、福岡大学(福岡県)、長崎大学(長崎県)、熊本学園大学(熊本県)、大分大学(大分県)、鹿児島大学(鹿児島県)、琉球大学(沖縄県)の16校。いずれも前年より1校ずつ増え、東西ともに地元色が強まっている。

 東京商工リサーチでは「『地方再生』が政府の主要課題になる中で、今後は東京への一極集中の見直しが進んでいくとみられる。これに伴い地方の学生の進学が地元大学に定着することで、人材流出の改善も期待される。このため都道府県別の社長の出身大学の動きは、地方再生の動きを知る一つのバロメーターになるかもしれない」と分析している。

◆2017年 全国社長の出身大学
1位「日本大学」22,183人
2位「慶應義塾大学」10,918人
3位「早稲田大学」10,696人
4位「明治大学」8,866人
5位「中央大学」8,146人
6位「法政大学」6,505人
7位「近畿大学」5,966人
8位「東海大学」5,692人
9位「同志社大学」5,082人
10位「関西大学」3,988人
《奥山直美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top