文科省「日本人の海外留学の効果測定に関する調査研究」成果報告書公開

 文部科学省は、平成29年度(2017年度)「日本人の海外留学の効果測定に関する調査研究」成果報告書をWebサイトにて公開した。全393ページにわたり、日本人留学生に行ったアンケートの集計・分析結果などを掲載している。

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留学満足度(事前研修・海外経験の有無別)
  • 留学満足度(事前研修・海外経験の有無別)
  • 海外留学支援制度による奨学金がなくても留学したか(年度別)
  • 渡航期間と能力の伸長度
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  • 渡航期間と能力の伸び
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 文部科学省は、平成29年度(2017年度)「日本人の海外留学の効果測定に関する調査研究」成果報告書をWebサイトにて公開した。全393ページにわたり、日本人留学生に行ったアンケートの集計・分析結果などを掲載している。

 「日本人の海外留学の効果測定に関する調査研究」は、さまざまな期間・形態の海外留学について詳細に調査・分析し、その成果の可視化を図り、より効果的な日本人の海外留学施策の検討に資するデータなどを得ることを目的に、文部科学省が河合塾に委託し、実施したもの。河合塾では、2016年度に初めて実施した「グローバル社会に対応した大学教育調査」の成果と、日本学生支援機構が日本人留学生に行ったアンケート調査の結果をもとに、教育効果の高い海外留学・海外プログラムを追求すべく調査研究に取り組んだ。

 成果報告書では全393ページにわたり、アンケートの集計・分析結果と、実際に大学へ赴いてヒアリングした16大学・プログラムの詳細、実際にその海外留学に参加した学生のインタビューを掲載している。

 成果報告書では、留学・研修前のオリエンテーションの有無が留学満足度に影響していると分析。オリエンテーションが「十分あった」「すこしあった」「あまりなかった」の回答別に留学満足度を見たところ、順に29.6%、21.6%、21.3%となっており、「十分あった」と答えた人の満足度がほかと比べて高かった。

 留学前後での能力は、短期や長期といった留学期間に関わらず、約半数の学生が能力が伸びたと自己評価している。留学した学生が特に伸びを感じていたのは、「積極的に発信できる」「外国人との交流がある」「留学先社会・文化への知識」だった。

 また、留学期間を3か月未満と3か月以上の2群に分けて比較したところ、「自分からやるべき課題を見つけて率先して取り組む」「文化背景の異なる場でのリーダーシップ」などの項目について、長期間(3か月以上)留学する方が短期間(3か月未満)の留学よりも明らかに伸びが大きかった。一方、「留学先社会・文化への知識」については同等の伸び、「語学へのモチベーション」については短期間の留学の方が高い伸びを示した。

 海外留学支援制度による奨学金がなくても「留学した」と回答した学生は、2013年度から2015年度の調査では過半数を占めていたが、2016年度の調査では41.6%にとどまった。このほかの回答の内訳は「どちらともいえない」28.5%、「留学しなかった」29.9%となっており、留学を加速させるための金銭的支援の重要性が経年で高まりつつあることがわかった。

 成果報告書は、文部科学省Webサイトにて閲覧できる。
《桑田あや》

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