千葉大学、授業料10万7,160円値上げ…20年度入学者から

 千葉大学は2019年6月7日、2020年4月入学者から授業料を値上げすると発表した。「学部・大学院生の全員留学」などのプラン実現のため、新たな財源の確保が不可欠であるとし、現行の53万5,800円から20%増となる10万7,160円引き上げ、年額64万2,960円とする。

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 千葉大学は2019年6月7日、2020年4月入学者から授業料を値上げすると発表した。「学部・大学院生の全員留学」などのプラン実現のため、新たな財源の確保が不可欠であるとし、現行の53万5,800円から20%増となる10万7,160円引き上げ、年額64万2,960円とする。

 千葉大学では、グローバル人材育成戦略をさらに拡大展開するプラン「千葉大学グローバル人材育成"ENGINE"」を策定し、2020年度からの実施を表明。全員留学を目指し、学部学生・大学院生の留学を必修化し、留学プログラムや留学支援体制の強化などに取り組む考えを明らかにしている。

 授業料の引き上げ額は、学部、修士・博士前期課程、専門職学位課程(専門法務研究科を除く)が10万7,160円、博士後期課程が12万2,160円。授業料は、2020年4月入学者より、学部学生・大学院生ともに年額64万2,960円となる。

 値上げ額の使途は、学生の海外留学を加速するための取組み、留学中の科目履修を可能にするICTを活用した多方面個別学修システム(スマートラーニング)の実践、コミュニケーション英語および専門英語の充実を予定。

 授業料改定について、千葉大学は「これまでさまざまな経費節減や新たな自主財源の捻出などに努めてまいりましたが、このプランの実現のためにはどうしても新たな財源の確保が不可欠」と説明している。

 授業料改定に伴い、学生の経済的支援の充実にもさらに配慮していく考え。大学の自己収入などの財源を用いて、授業料減免者に対する値上げ額を含めた減免、留学奨学金の給付、大学独自の奨学金制度による低所得者への支援、優秀な学部生・大学院生に対するワーク・スタディ(ティーチング・アシスタントなどの採用での給与付与)による経済的支援にも取り組んでいくという。

 国立大学の授業料は、国が定める標準額に基づいており、標準額は2005年度から年額53万5,800円を維持している。各国立大学は、標準額の120%を上限に授業料を設定できる。国立大学による授業料改定ではこのほか、東京工業大学と東京藝術大学が2019年度からの値上げを発表している。
《奥山直美》

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